“沈黙”のミケルソン マクドウェルは新リーグ開始30分前に米ツアー撤退
◇リブゴルフシリーズ◇リブゴルフ・インビテーショナル ロンドン 初日(9日)◇センチュリオンクラブ(イングランド)◇7047yd(パー70)
サウジアラビアの資金を背景にグレッグ・ノーマンらが推進する新リーグ「リブゴルフ・インビテーショナルシリーズ」が開幕。そのタイミングに合わせるかのようにPGAツアーが新リーグに参戦したツアープレーヤーの出場権停止を公表したことを受け、名指しされた当事者たちがさまざまな反応を見せた。
新リーグ支持をいち早く明らかにしたフィル・ミケルソン。一方でPGAツアーのメンバーシップは返上しない考えを示していた。2月「サウジインターナショナル」以来となる久々の実戦に「本当に楽しかった。ここはクールなエネルギーに満ちている」と笑顔だったが、PGAツアーの対応について問われると一貫して口をつぐんだ。
切り口を変えた質問にも「今はまだ、公に話す準備ができていない」と繰り返すのみ。全8試合となるリーグ戦すべてに出場することは認めた。この日着用した黒いベストが「マスターズ」を開催するオーガスタナショナルGCのロゴを黒く塗りつぶしたと思われるものであることも話題を呼んだ。
セルヒオ・ガルシア(スペイン)はすでにPGAツアーから撤退した立場であることを強調した。「僕は1週間半ほど前にメンバーシップを返上している。PGAツアーが何を言おうと、メンバーではない僕には関係ない。(返上の理由は)法廷闘争に巻き込まれたくなかったからだ。僕は今いる場所に満足している」。その上で欧米対抗戦「ライダーカップ」への変わらぬ出場意欲を燃やし、欧州ツアー(DPワールドツアー)のメンバーシップは保持し続けたい意向。欧州ツアー側の寛大な措置に期待をにじませた。
ドタバタだったのはグレーム・マクドウェル(北アイルランド)。「ティオフする30分ほど前にメンバーシップを返上した。PGAツアーを愛している、とても難しい決断だった」。後ろ髪を引かれる思いを隠せなかったが、PGAツアーからの出場許可を取り付けられなかったため、法廷闘争に持ち込まれたときのことを警戒してのギリギリの判断だったという。
新リーグ側の弁護団がいることを明かし、「十分に守られていると確信している。中にはその(メンバーシップを返上する)必要はないと考える選手もいるよ。自分が悪いことをしているとは思っていないんだ。出場許可を得ることはできなかったけど、僕たちはプロゴルファーとして、ここでプレーすることを許されるべきだ。でも、この状況がもっと大きなものだということも分かっている。競争であり、好ましくないと思われているんだ」。やはりガルシア同様に欧州ツアーがPGAツアーを追随しないことを願った。