2位の水巻善典は小林正則に続く”Wタイトル”へ虎視眈々
国内シニアメジャー「第23回日本シニアオープンゴルフ選手権競技」の3日目、2位の水巻善典が単独首位に抜け出した室田淳に2打差で食い下がり、初日からの2人のマッチレースの決着を最終日まで持ち越した。
この日は1イーグル、3バーディ、2ボギーの「69」でホールアウトしたが、水巻の口から発せられた言葉は「ボロボロ」だった。「ほんの数ヤードの誤差が”天と地との差”になる」というメジャーセッティングのグリーンを相手に、加齢とともに踏ん張りの効かなくなった下半身にもどかしさを抱えながらのプレー。結果として生じてしまう距離感の“誤差”に何度も肩を落としたらしい。
しかし、それでも、初日に首位発進し、2日目は2位、そして3日目も2位をキープ。今週の水巻は、優勝を狙うモチベーションが高い。原動力の半分は、所属の鳴尾ゴルフ倶楽部で開催された2010年大会を2位で終えた悔しさ。残り半分に「一緒に切磋琢磨する仲間の活躍は本当に嬉しい。励みになる」と、その鳴尾ゴルフ倶楽部で合宿をともにしたメンバーの今季の活躍を挙げた。
今年5月のチャレンジツアー「富士カントリー可児クラブチャレンジカップ」で近藤龍一が優勝いたことに始まり、10月の同ツアー「HEIWA・PGM Challenge III ~ Road to CHAMPIONSHIP」でも桑原克典が優勝。水巻を慕って集まってきた後輩たちの活躍は、今年10月のメジャー「日本オープン」で小林正則が初タイトルを獲得したことで、一段と強い刺激を水巻に与えることになった。
「ジャパンオープンはタフなコースでなかなか(正攻)ルートが探せない。とにかく(パットを)入りやすいところに乗せて、あとは運。小林の運をもらわないと! 揃って日本タイトル獲れたらいいね」
レギュラーツアーとシニアツアーで、フィールドは違えど"日本一決定戦"には違いない。自身初のメジャータイトルを懸けて、室田との2打差を追う最終日。運を味方に・・・あとはただがむしゃらに食らいついていくだけだ。(福岡県桂川町/糸井順子)