前週途中棄権の勝みなみ&鈴木愛 欠場の上田桃子も元気に復帰
◇国内女子◇ほけんの窓口レディース 事前(16日)◇福岡カンツリー倶楽部和白コース(福岡県)◇6292yd(パー72)
前週のメジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」で途中棄権した勝みなみ、鈴木愛、そして欠場した上田桃子がそろってツアーに復帰する。それぞれ開幕前日のプロアマ戦をプレーした後、経過と現状を語った。
勝は前週、初日の夜中に胃痛に見舞われ、嘔吐するなど体調が急変。第2ラウンドのスタート前に棄権した。同日は「病院には行けず、家で横になっていた」と丸一日しっかり睡眠をとり、おかゆを食すなどして回復に努めた。
「月曜日に練習に行くなど、無理をしていた部分があった」と蓄積した疲れと、優勝した2週前の「パナソニックオープンレディース」の祝勝会などによる睡眠不足が重なったことが体調不良の原因とみる。「疲れが胃にくるタイプ。いろんなものを食べちゃって。無理せずに自分の体をいたわることも大事だな」と体調管理を反省。棄権した翌日には買い物や映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の4DX上映を楽しんだ。映画の内容は「ふーん。おもしろかったー」と大感激とはいかなかったようだが、すっかりリフレッシュし「体調はばっちりです。いい状態なので今週からまた頑張りたい」といつも通りの笑顔を見せた。
最終ラウンドのスタート前に背中痛で棄権した鈴木は、翌日の今週月曜日に大山志保に紹介された病院に行った。MRI(磁気共鳴画像診断装置)検査やレントゲン診察を受け、骨には異常はなかったが、医者から「左の肩甲骨の下の筋膜が硬くなって水分や空気がいきわたっていない」と説明された。さらに「すぐに良くしたいんだったら注射しかないよ」と選択を迫られたという。
今週はディフェンディング大会で、2週後には海外メジャー「全米女子オープン」にも参戦する。自身にとっての大一番が続くとあり、悩んだ揚げ句、大嫌いな注射を打った。「むちゃむちゃ痛かったんですよ。『赤ちゃん用の細い針』って言ってたけど、絶対ウソだ!」と振り返る治療のおかげで、痛みも少なくなった。今週は火曜、水曜と練習ラウンドをこなし、この日もプロアマ戦で調整した。
上田は「試合(サロンパスカップ)を休んだ前の週から、微熱が続いてなんか変だった」といい、開幕前日に「急性ウイルス腸炎」を発症した。下痢と嘔吐で家から一歩も出られなかったという。食事を摂れなかったことで「力が落ちている」というが、「今週は逆に力に頼らずにいい感じでいけそうな気もする」と前向きだ。
週末は自宅のテレビでPGAツアーや欠場した試合を見たという。「若い選手の勢いはすごく感じています。特に彼女(優勝した渋野日向子)は終始いい表情でプレーしていた。パターは入っていたし、すごくいい選手」と賛辞を送った。一方で「スキル的な部分では若い選手に負けている部分は少ない」と自信を持つ。
今大会の賞金総額は3日間競技ではツアー最高額の1億2000万円。地元九州の大会で今季2勝目へ向け、「それも大事なんですけど、初日に出遅れると気持ちも焦るので大事にいきたい」と冷静にスタートを切る。(福岡県福岡市/柴田雄平)