スランプ脱出の勝みなみ 自己ベスト「64」でV争いに名乗り
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 3日目(17日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6525yd(パー72)
最終18番パー4の2打目。残り99ydから50度のウェッジを振り抜くと、ピン奥からバックスピンがかかったボールはカップに吸いこまれた。イーグルを奪った勝みなみは、ギャラリーからの大歓声にガッツポーズ。13歳だった2012年から参戦してきたプロツアーで自己ベストスコアの「64」をマークした。
「100yd以内のショットがきょうは寄っていた。近くにつける自信はありました。きょうは6アンダーで止まるかなと思っていたので、びっくりですね」。1イーグル7バーディ、1ボギー。8つスコアを伸ばし、通算13アンダーとして首位に浮上した。
今季は35試合の出場で9度のトップ10を記録したが、8月以降に2度の3試合連続予選落ちを喫するなどスランプに陥った。「ドライバーもアイアンも尋常じゃないぐらい左右にいった」と苦戦が続いたが、10月に男子プロの芹澤信雄にスイングチェックを受けて不振から抜け出した。
昨年7月のプロテストに合格し、今季はプロとして初めてフルシーズンを戦っている。ショットの不振とともに、これまで経験がない精神的な疲労にも悩まされた。「プロは休みがない。どうやってリフレッシュすればいいかわからなかった。予選落ちが続いてフラストレーションがたまったときに、どこで発散させればいいかわからなかった」。
それでも全国各地を転戦する中、ここにきて自分のリズムをつかんだ。「美味しいものを食べるのが一番だなと思いました」。きのうは松山市内で鯛めしや、刺し身を堪能し、「すごく美味しかったです」とペロリと舌を出した。
松田鈴英、アマチュアの上野菜々子(東海大付属大阪仰星高3年)とともに最終組からスタートを切る最終日。2014年にアマ優勝を果たした「KKT杯バンテリンレディス」以来となる、2度目の優勝へ期待も高まる。(愛媛県松山市/玉木充)