2018年 マスターズGCレディース

「忘れられない一日」 42歳のカン・スーヨンが現役を引退

2018/10/22 08:15
現役最後のラウンドを終え、出迎えた仲間たちと涙で抱擁を交わしたカン・スーヨン(右)

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(21日)◇マスターズGC (兵庫)◇6528yd(パー72)

心労などを理由に今大会で現役を引退する42歳のカン・スーヨン(韓国)が、通算1オーバーの34位タイでラストゲームを終えた。2011年から日本ツアーに加わり通算3勝をマークしたが、最後のラウンドは3バーディ、3ボギーの「72」。最終9番では仲間たちに出迎えられ、涙を流しながら惜別の抱擁を交わした。

最後に残した約30cmのパーパット。カンは一度アドレスを解き、再びラインを読む姿勢をとってうつむいた。「このパットを入れたら、もうグリーンを踏むことはないんじゃないか。そんな思いで胸がいっぱいだった」。数秒後に顔を上げてゆっくりとボールに歩み寄り、最後のパットを沈めてパーフィニッシュ。観衆から大きな拍手を浴び、「温かく、寛大な拍手で迎えられたことは忘れません。感謝の気持ちでいっぱいだし、生涯で忘れられない一日になったと思う」と、いっぱいの笑顔で答えた。

今大会を最後に現役から引退するカン・スーヨン(左)。イ・ボミから花束が渡された

現役最後のラウンドを終えた気持ちを、「心の片隅に穴があいたような、寂しい気持ち」と表現。「今は少し休みたい。韓国で3年、アメリカで10年、日本で8年プレーを続けてきて、休める時間があまりなかったから」と、しばらくは母国で静養に努めるつもりだ。

今後は、韓国のソウル近郊にある自身が主宰するゴルフアカデミーに戻り、若手の育成に携わる予定。「後輩を支えていきたい」と話し、これから迎える第2の人生を思い描いた。(兵庫県三木市/塚田達也)

最終9番。最後のパットを前にうつむくカン・スーヨン。数秒ほど動けなかった

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