3度目の正直で 鈴木愛は海外メジャーに弾みのV
◇国内女子◇Tポイントレディス 最終日(18日)◇茨木国際GC(大阪)◇6261yd(パー71)
最終18番で50cmのウィニングパットを沈め、白い歯がこぼれた。両手をあげて歓声をあびると、思わず天を見あげた。賞金女王の鈴木愛が4バーディ、2ボギーの「69」。通算8アンダーでツアー通算6勝目となる今季初優勝だ。
「やっと勝てたなという感じでした。ショットはあんまりよくなかったが、パッティングがよかった。あまり流れを切らさずにできました」。15番でボギーをたたき、全美貞(韓国)に1打差とされた16番。70ydから58度で5mにつけてバーディ奪取。この日のパット数は全体1位となる26と得意のグリーン上で勝負強さを発揮した。
開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」は首位から出た最終日に逆転されて3位。続く「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」でもプレーオフまでもつれこんで優勝を逃した。3度目の正直で頂点に立ったことに母・美江さんは「賞金女王という立場なので、それがプレッシャーになっているのかもしれない」と話す。
おいしい副賞も手にした。大阪名物「551蓬莱の豚まん」1年分をゲットし「関西に来ると、みなさんが(551の)紙袋をさげているので、どのくらいおいしいのか気になっていた。頂けてうれしいです」と笑った。
3日後の21日(水)には初挑戦となる海外メジャー「ANAインスピレーション」(3月29日~/カリフォルニア州)のために日本を発つ。昨年8月「全英リコー女子オープン」での14位がメジャー最高位だけに、開幕8日前に米国入りと万全の準備。「海外の試合も出られるようになってきたし、経験をいかなさいといけない」。4年ぶりの日本人賞金女王として手ぶらで帰ってくるわけにはいかない。(大阪・茨木市/玉木充)