三好の名物パー3でびっくりパーセーブ 韓国女子の妙案
◇国内女子◇THE QUEENS presented by KOWA 最終日(4日)◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知)◇6500yd(パー72)
4ツアー対抗戦の第2回大会は韓国チームが女王の座に就いた。ダブルスマッチが行われた前日までの2日間を1位で終え、2位・日本とのシングルスマッチプレーの優勝決定戦は全8マッチを7勝1分けと圧倒。日本のキャプテン笠りつ子と対戦したジャン・スヨンはギャラリーをあっと言わせるミラクルアプローチを披露した。
愛知県の三好カントリー倶楽部 西コースの名物ホールと言えば16番パー3。グリーンの左サイドが崖になっており、この高低差6m以上ある“奈落”に落とすと、大たたきは免れない。男子ツアーの「トップ杯 東海クラシック」でも、これまで何度もドラマを生んできた。
笠とオールスクエアで同ホールを迎えたジャンは、ティショットを左に曲げて大ピンチに陥った。多くの選手がウェッジでボールを高く上げるケースだが、ここで手にしたのは3W。背の高い木々の間を通し、崖にクッションさせて傾斜を駆け上がらせ、ピンそば1mに寄せる驚愕のアプローチでパーを拾った。
「初日のダブルスでも挑戦したときにはダメだった。その帰りにお姉さんたち(先輩たち)から『ウッドじゃないと、それはうまくいかない』と言われ、その声が頭に浮かびました。本当は5Wか6Wで打ちたかったけれど、きょうはバッグに入れていなくて…。3Wで行ったらうまく寄りました」
ストロークプレーではない、マッチプレーだからこそ生まれるギャンブル性の高い一打といえるかもしれないが、このスーパープレーの後でバーディチャンスを逃した笠も「本当にびっくりした。あんな風に打てるなんて…」と技術はもとより、その想像力を讃えた。
キャプテンを務めた申ジエは、前年の敗戦の雪辱を果たし「安心しました」と笑顔。今回はチームワーク強化のために一緒に食事する機会を増やしたという。優勝後の会見で「ソウルに戻って時間があったら、優勝パーティをしたい」と話すと、仲間たちから拍手が起こった。(愛知県みよし市/桂川洋一)