2016年 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯

有言実行の海外勢阻止!練習の虫、鈴木愛の成長と自信

2016/09/11 17:17
18番でバーディパットを沈めた鈴木愛!大きなガッツポーズで喜びを表現した

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日(11日)◇登別カントリー倶楽部(北海道)◇6750yd(パー72)

最終18番グリーン。4m半のバーディパットに臨む鈴木愛は、自分の心に言い聞かせていた。「自分は誰よりも練習量では負けていないんだから」。最終組の3組前で回った鈴木は、パットを打つ前にリーダーボードを確認していた。「入れなきゃいけないと思った」というこのパットがカップに沈むと、右手を高々と突き上げた。満面の笑顔だった。

通算1オーバーで2位に1打差をつけて勝利をつかんだ。この日は4バーディ、1ボギーの「69」。スタート前に狙ったとおりのスコアだったが、それでも「3アンダーで回っても、優勝の確率は低いと思っていた」。

首位と5打差の4オーバーから出た最終日。12番までに2つスコアを伸ばして迎えた13番(パー3)のティグラウンドでリーダーボードを見ると、自分が首位に並んでいた。

「えっ!?って思った。多分、トップは1アンダーくらいだろうと思っていたから、まさかの展開でした」

突如、緊張感が襲ってきて、ティショット、アイアンショットがぶれ始めた。グリーン手前の池を警戒した15番(パー3)では、大きめのクラブでピン奥15mにギリギリ乗せたが、ファーストパットは2mショートした。それでも、このパーパットをねじ込んだ。

現在、ツアーでの平均パット数は第1位。会場では、いつも最後まで居残って練習をしている1人だ。今週は初日から3日目までクロスハンドでパットをしてきたが、最終日はいつもの順手に戻した。3日目夕方、最終日のスタート前と試行錯誤の練習を続けた末の決断だった。「今まで練習してきたのが、最後のパットに生きたと思う」。

通算3勝目で、うち2勝はメジャータイトル。海外勢の連勝も宣言通りに食い止めて、満足そうに微笑んだ。「2年前の(この大会の)優勝とは全然違う。あのときは周りが見えていなかったけど、今回は周りを見て、それでも自分のゴルフを淡々とできた。成長したかなと思う」。

次の目標を問われ「TOTOジャパンクラシック」の制覇と即答した。勝てば米ツアーの出場権を獲得できる。もし権利が取れたらどうするか?「行きます!」という答えにも、躊躇(ちゅうちょ)はなかった。(北海道登別市/今岡涼太)

2016年 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯