東京五輪で金メダル!バースデーVイ・ボミが掲げた新目標
28歳の誕生日――今季4勝目は忘れられない1日となった。「CAT Ladies」最終日、2位から出たイ・ボミ(韓国)が全美貞(同)、大江香織とのプレーオフを制して逆転優勝し、ツアー通算19勝目を飾った。
序盤から猛チャージをかけるプレーで独走劇を予感させた前半。8番までに4バーディを奪って首位に立った。ところが9番(パー5)をボギーとして、流れが停滞。13番(パー5)で約2.5mのチャンスを逸した後、14番、15番(パー5)を連続ボギーとして、首位に3人が並ぶ混戦となった。
プレーオフ1ホール目は「完璧だった」と、パー5の第3打をピンそば1mにつけるスーパーショット。「ラインは真っ直ぐ、下りの順目」というデリケートなラインを慎重に読み切って、勝利をもぎ取った。
この日はスタート前に、韓国で同学年の朴仁妃がリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したことをニュースで知った。「すごいと思うし、うれしかった。仁妃もケガで調子が悪かったけど、そこから五輪出場を決めて、金メダルを獲った」と讃えた上で、「私も東京五輪に出て、金メダルを目指したい」と新たな目標を掲げた。
7勝を挙げて賞金女王を戴冠した昨季よりも、速いペースでの4勝目。2年連続の賞金女王戴冠の期待もかかるが「今はひとつひとつ、1日1日の目標をクリアすることだけを考えてプレーしている」と堅実なプランニング。良いプレーを積み重ねた結果が“賞金女王”であることを理解しているからだ。
表彰式を終え、大会ボランティアスタッフとの記念撮影の際には、スタッフをはじめ、18番グリーンを囲むギャラリーがバースデーソングを歌って、イを迎えた。「ギャラリーのみなさんが誕生日の歌を歌ってくれて、うれしかった。本当に感動した」。
「父と母の愛があって、わたしがここにいる。(亡くなった)お父さんがいなくてさみしいけど、いつも母はわたしのため頑張ってくれているから感謝したい」。両親への感謝の言葉も忘れなかった。(神奈川県箱根町/糸井順子)