プロ5年目初優勝の葭葉ルミ 大魚を釣り上げ何を買う？

国内女子ツアー「ニッポンハムレディス」で葭葉ルミが初優勝を飾った。1打差の4位から出ると3バーディ「69」でプレー。力むことなく、ボギーなし。通算8アンダーとし、混戦を制した。プロ5年目での悲願達成に「うれしいです。狙っていましたけどね」とおどけながら、笑顔を見せた。

成長を実感した勝ち方だった。「絶対に勝つ」と意気込みながら、「無理に攻めない。普段のプレーをすればいい」と落ち着きがあった。出だしの1番で、約130ydからの2打目を7Iで5mにつけた。夜中の雨で、グリーンは濡れていた。前の選手のラインの跡を参考に流し込んだ。周りが見えていた。パーを並べた後、11番のバーディでじわり。1つ前の組の森田遥と7アンダーの首位で並んで迎えた17番で、約3mのバーディパットを沈め、こぶしを握った。

無類の釣り好きだ。今大会の優勝で「バス（フィッシッング）ボートを買おうかな」と笑顔。高い物は500万円以上する。昨年「全米女子オープン」に出場した際、現地のバスショップに行き「楽しそうで」と始め、はまった。会いたい人は「バス釣りのプロ」と言うほど、のめり込んでいる。ちなみに、今までに釣った魚の大きさの最高記録は42cmだ。

23歳は、ツアー転戦しながら趣味も楽しむ。5月「中京テレビ・ブリヂストンレディス」のときは成田美寿々ら、同月「リゾートトラスト レディス」では森美穂らと釣りに行った。森らと一緒に行った際は「私だけ、何も釣れなかったんですよ」と嘆く。茨城県で試合がある来週も、利根川で成田らとリベンジを意気込む。

だが、この日葭葉が釣り上げた獲物は、ずっと大きい。優勝賞金1800万円と目標だった最終戦「リコーカップ」の切符を手にした。「すごく重たいんですよ」とニコニコ笑って掲げたトロフィーは、顔よりもずっとずっと大きかった。（北海道北斗市／林洋平）