泣いて、笑って、笑わせて…アマ2勝逃した勝みなみ、プロ転向もお預け
国内女子ツアー「ニチレイレディス」最終日、史上初のアマチュア2勝目を狙った勝みなみ(17、鹿児島高3年)は通算9アンダーで2位に終わった。自身初の単独首位で最終日を迎えたが4バーディ、5ボギー「73」(パー72)とスコアを落とし、申ジエ(韓国)に逆転を許した。試合後は、真っ赤な目で「悔しいです」と声を絞り出した。
ベストアマチュアを受賞した表彰式。普段は笑顔の勝の目に、涙があふれた。「やっぱり優勝を狙っていたので」。出だしの流れは悪くなかった。最終組で出ると、1番(パー5)でバーディ。3打目を打つ直前にギャラリーの携帯が鳴ったが、仕切り直して80cmに寄せた。2番ではグリーン奥ラフからのアプローチ。打ち切って寄せると拍手が起こった。パーをセーブし、後続と3打差にした。
近づいたはずの念願が、雑念を生んだ。「優勝、と思うと身体がついていかなかった」とショットが乱れた。バンカーからカップを約3.5mオーバーさせた5番でボギー。続く2ホールでもミスによるボギーで、初日から守り抜いてきた首位を奪われた。
後半は「苦しい中では褒めたい」と自ら及第点を与えた。10番から連続バーディ。14番でボギーとしたが、最終ホールをバーディで締めた。「最後はバーディを獲りたいと思っていた」と、納得してのホールアウトだった。
2勝目でプロへ――。そんな青写真を描いていた。「圧倒的な存在にならなきゃいけない」と自覚している。そのために早くプロになりたい、と言う。きょうは叶わなかったが「これからプロになっていく上で、こういう経験をたくさんする。きょうのことを次に生かしたい」と言い切った。その表情には笑顔が戻っていた。
人生のテーマは「爆笑」という。勝は、最後に報道陣を爆笑させた。「そう言えば、携帯!って途中で思い出した。2位には入らなきゃ、って。後半はそれを目標にしていました」と、おどけた。5位以内に入ったら調子の悪いiPhoneを買い替えるという約束を両親から取りつけていた。泣いて、笑って、笑わせて。次はきっと勝つ。(千葉市若葉区/林洋平)