初出場完全優勝の快挙へ 16歳の畑岡奈紗は“ご利益イーグル”で勢い
記録尽くめへの期待は、いやおうなく高まっている。国内女子ツアー「樋口久子 Pontaレディス」(埼玉県・武蔵丘GC)の2日目、首位から出た高校2年生のアマチュア畑岡奈紗(茨城・翔洋学園高)が「71」のプレーで通算5アンダーとし、首位をキープした。
優勝すれば、(1)初出場の試合で(2)初日から首位を守りきる完全優勝-となる。両方を満たす「初出場完全優勝」は、プロの選手を含めてツアー史上初めてとなる。
アマチュア選手のツアー初出場・初優勝は、2012年のキム・ヒョージュ(韓国)に続き2人目。年齢は16歳292日で、年少記録は昨年樹立された勝みなみ(鹿児島高2年)の15歳293日には及ばないが、2番手となる。アマチュア優勝は5人目だ。
この日は序盤でバーディを重ね、一時は後続に3打差をつけて堂々と首位を走った。しかし、ティショットがバンカーにつかまった12番(パー3)で脱出に失敗してダブルボギー。続く13番もボギーとし、快進撃もここまでか…という雰囲気に包まれた。
直後にハイライトが訪れた。560ydの16番パー5。残り57ydからの3打目を打つ直前、左手につけていた「パワーストーン」が切れた。「もしかしたら良いことあるかも」と感じた吉兆は的中。58度のウェッジでのショットは「(芝を)噛んだ」が、直接カップインしてイーグルを奪取した。
パワーストーンなる物を購入したのは中学生の時。実家近くの大型ショッピングセンターに母と立ち寄った際、「勝負の石」のブラックオニキスや誕生石のガーネットなど4種類の石を選び、作製してもらったオリジナルなのだという。常につけていた縁起物がグローブをはめるときに外れ“ご利益イーグル”を実感した。
「16番のイーグルはすごく大きくて、あれがなかったら引きずっていた。切り替えられました」。外れたパワーストーンは、袋に入れてバッグにしまい、最終日の大勝負に挑む。(埼玉県飯能市/鈴木慶祐)