「こんなオバさんに負けるな!」20年目の表純子、棄権回避から逃げ切りV
プロ20年目のベテラン41歳が輝きを放った。宮城県の利府GCで開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」最終日、首位に並んでスタートした表純子が2バーディ、ノーボギーの「70」でプレー。通算11アンダーで逃げ切り、2013年6月の「ヨネックスレディス」以来となるツアー通算4勝目を挙げた。
「勝てると思っていなかった」――。今年6月の「ヨネックスレディス」を再現する大山志保との最終日最終組対決となったこの日。上位勢のスコアが伸び悩む中、表は堅実にパーを拾う場面が続いた。
「みんながあまり伸びなかったし、きわどいパーパットが入ってくれた」。後続の大山に1打差に詰められて迎えた終盤の15番(パー3)では2m、16番ではファーストパットが大きくオーバーしながら、返しの約3.5mをねじ込んでガッツポーズを作ったが、「大山さんはボギーを叩いても、すぐにバーディで取り返してくる」と、最終18番まで手綱を緩めることはなかった。
大会開幕前には、寝違えが原因なのか首から背中にかけて痛みが走り、一時は棄権も考えた。だが初日スタート前、練習場で問題ないと判断し出場に踏み切った。「(優勝できたから)出て良かった。でもまたこれで(記録更新がかかり)休めなくなる」と、これで166試合となった連続出場に、うれしい苦笑いを浮かべた。
今季はほかの目標も定めていた。賞金ランキング35位前後までの選手に出場が限られる11月の「TOTOジャパンクラシック」、今季優勝者と賞金ランク25位までが出場できる最終戦「LPGAツアー選手権リコーカップ」への参戦だ。優勝賞金1260万円を加算して、賞金ランクを33位から20位に上げ、両試合の出場権を確実にした。
「体力だけは若い選手に負けない」と輝き続ける41歳。師匠の岡本綾子からは「私が賞金女王になったのは38歳のとき。だからまだまだよ」とお尻を叩かれた。18番グリーン脇には、岡本を師と仰ぐ門下生仲間をはじめ、後輩プロたちが待ち構えた。「みんな応援してくれるのは嬉しいんですけど、こんなオバさんに負けるなと言いたい」と“一喝”も。年齢を超えた表の挑戦はこれからも続く。(宮城県利府町/糸井順子)