惜敗の大山志保は1Wにブレ、獲得690万円を震災被災地へ
宮城県で開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の最終日、表純子と首位タイでスタートした大山志保が1バーディ2ボギーの「73」(パー72)とスコアを落とし、通算8アンダーの2位でフィニッシュ。今季2勝目はならなかった。
2日目のコースレコードを更新する「63」から一転、序盤から苦しい展開が待ち受けていた。ティショットをグリーン奥にこぼした4番(パー3)では、ピン1m強につけるリカバリーショットを見せたものの、下りラインのパットがカップを逸れボギーを先行。このホールをバーディとした表を2打差で追う形となった。後半に入った10番でバーディを奪って1打差に詰め寄ったが、「1Wがブレ始めた」とパーオンを逃すホールが目立ち、17番では約2.5mのパーパットを決めきれず万事休した。
「(18番まで勝負がもつれ込む)見応えがなかったのは宮城のファンに申し訳ない気持ちでいっぱい。でもそれ以上に、表さんのプレーが素晴らしかった。悔しいけど、この結果をプラスに考えて、来週(日本女子オープン)に(良い結果を)取っておいた、と気持ちを切り替えたい」と、メジャーのビッグタイトルを見据えた。
「700万円近いんですか?少しでも役に立てればすごく嬉しい」。今大会での獲得賞金の全ては、東日本大震災の被災地へ寄付するとしていた大山。寄付額は2位の賞金630万円に加え、大会2日目に記録したコースレコード賞30万円、同じく2日目に記録したベストスコア賞30万円を合わせた計690万円に上る。昨年は松島町へ寄付。今年は、どんな形で役立てるか検討中だという。
2011年の震災以降、大会獲得賞金からさまざまな寄付を続けてきた。桜の花が好きなことから、日本三景の松島で知られる宮城県の観光地の復興に、桜の木の植樹を提案したこともある。「自分も楽しみながら、みんなが喜んでもらえることをしたい」。惜敗となったが、宮城のファンへのあふれる想いは必ず届いているはずだ。(宮城県利府町/糸井順子)