2014年 ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ

自己最高の2位に「楽しかった」 酒井美紀が確信した成長

2014/03/16 18:40
粘りのゴルフでプレーオフ進出を果たしたが、あと一歩で初優勝が果たせなかった

またも「優勝」の2文字は手からこぼれた。高知県で開催された「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」最終日、2日連続の「67」で通算7アンダーにスコアを伸ばし、一ノ瀬優希とともにトップスコアをマークしながら、プレーオフで敗れ2位に終わった酒井美紀。悔しいのでは? と聞かれると「そうですね…、でも、すごく楽しかったです」と、自ら成長を感じた過去最高順位フィニッシュに胸を張った。

首位タイで最終日を迎えた4月の「スタジオアリス女子オープン」など昨シーズンは何度となく優勝争いに加わったが、あと一歩届かず、メンタル面での課題を挙げていた。この日の酒井は最終日最終組でのプレーながら「意外と緊張せずに最後まで回れました」と、12番までに4ストローク伸ばし、今までとは違う自信を胸に終盤へ。14番からはボギーとバーディで文字通り一進一退となったが、先に上がった一ノ瀬を1打差で追って迎えた最終18番は、残り145ヤードの2打目を7番アイアンで1.5メートルにつけて、これをねじ込んで追いついた。

過去の失敗を生かし、入念な準備をして最終日の決戦に挑んでいた。「今までは優勝争いをしている肝心な場面でパットミスがありました。昨日は試合と同じ緊張感を持ってショートパットの練習をしていたので、18番ホールでも緊張せずにバーディパットを打てました」。この日はグリーンのラインもよく見えていたという。

ともにパーオンし、パット勝負になったプレーオフ1ホール目。「プレーオフのバーディパットもラインは見えていたんですけど、少し気持ちが先走ってしまいました」と喉から手が出るほど欲しい初優勝への思いを抑えきれなかった。「最後は、優希さんは必ず入れてくるだろうと思っていたので、自分が外したことは残念ですけど、楽しかったですね」

2010年に日本女子アマを制し、大きな期待とともにプロ転向した実力者。土台を踏み固めながら1歩ずつしっかりとプロ初優勝への準備を積み重ねている。「まだ自分自身のプレー自体は完璧ではないけど、プレーペースは掴めてきているので、この調子を維持していきたいです」。グッドルーザーの言葉に、今季への期待が垣間見えた。

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