23パットで首位独走!横峯さくらを加速させたメンタル指導
前日の荒天により54ホール短縮となった国内女子ツアー「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」3日目は予選第2ラウンドが行われ、首位に2打差の7位からスタートした横峯さくらが9バーディ、ノーボギーの「63」をマーク。2位に5打差をつける通算11アンダーで単独首位に浮上し、今季3勝目のビッグチャンスを引き寄せた。
「63」は2011年「ミズノクラシック」2日目にマークした自己ベストに並び、コースレコードを1打更新する会心のプレー。「ドライバーは良くなかったけど、セカンドショットとパットが良かった」。グリーンに近づくにつれてギャラリーの歓声は増していき、特に23打に抑えたパットが冴え渡った。
スタートホールの1番(パー5)で2メートルのチャンスを決めて飛び出すと、4番で5メートル、7番では10メートルのバーディトライをねじ込み流れを築く。後半5つのバーディも、30センチに絡めた14番(パー3)を除き、もっとも短い距離は15番の4メートル。最終18番も5メートルを沈め、この日を象徴するようなバーディで締めた。
「今日はヘッドアップしないように。(インパクト後のボールは)カップに入る直前しか見ていない」。50位タイに終わった前週は「ヘッドアップすることもあった」という悪癖を徹底的に封じ込んだ。
5月の「サイバーエージェントレディス」で約2年ぶりの優勝を飾り、9月の「マンシングウェアレディース」で今季2勝目。この横峯の上昇軌道と時期が重なるのが、今年8月から正式に契約を結んだ元サッカー選手でメンタルトレーナーの森川陽太郎さん(32)の帯同だ。「今年のサイバーからお試しみたいな感じで。(契約した)8月からは毎試合、帯同してもらっています」。
森川さんの指導の特徴でもあり、横峯も心に留めているメインテーマは、「OKラインを下げる」(横峯)ということ。「ティショットはフェアウェイにあればOK。ラフに行っても打てるライならOK。パットも自分のストロークが出来ていればOK。それまでは、自分のゴルフが良くないと、“もっと出来るのに”と考え過ぎてしまい、(プレーと)マッチしないことが多かった」と説明。「メンタルが弱いと思っていた」というウィークポイント克服の成果は、5月以降の成績が明確に示していると言えるだろう。
賞金ランキングトップを走る森田理香子との差は約2,170万円。優勝賞金1,890万円(54ホール短縮により75パーセントに減額)を手にすれば賞金女王への道も大きく開けるが、「あえて意識はしない。優勝だけを目指して頑張ります」と語気を強めた。これも、メンタル指導の一環だ。昨年の最終日は3打差首位でスタートしながら、サンデーバックナインに崩れて悔しさ募る逆転負け。1年前の失敗は、もう繰り返さない。(兵庫県三木市/塚田達也)