横峯さくら 20勝目は永久シードへの「過程」
国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」の最終日、首位タイからスタートした横峯さくらが、7バーディ2ボギーで通算15アンダーまで伸ばし、逃げ切って今季2勝目、ツアー通算20勝目を飾った。
菊地絵理香、藤本麻子と最終組でティオフした横峯は序盤からバーディが先行。1番、3番をバーディとしたあと、迎えた5番(パー5)では、入れば単独首位という2メートルのバーディパットを慎重に読み切ってカップに沈めた。後続との差を4打と広げて入ったバック9で、早々に2つの3パットボギーをたたき、菊地に再び首位に並ばれたが、「それでもトップは譲っていない。気持ちを切らさず集中した」と2つのバーディで頭ひとつ抜け出した。
14番ではティショットを右に曲げ、座って観戦していたギャラリーの女の子の膝の上でボールが止まるハプニングも。さいわいドロップの救済(規則19-1a)を受け、3オン1パットでパーを拾った。「ボギーをリセットできないままきてしまったけど、あのパーパット直前に緊張感を受け入れることができた」と逆に集中力を高める結果をもたらした。藤本の4連続バーディの猛追も退け、最終18番ではウィニングパットを沈めると、静かに右手でガッツポーズ。今季初優勝だった5月の「サイバーエージェントレディス」では涙を流したが、今季2勝目は満開の笑顔で喜んだ。
「通算20勝目-。“30勝”は遠いけど、私にとっては節目というより過程です」。永久シード権獲得を意味する30勝への過程と位置づけ、あえて20勝目には達成感を見出そうとはしなかった。過去には30歳で結婚→引退をほのめかした時期もあったが、今年5月の通算19勝目で「結婚してからも」と軌道修正。「頭に30勝はあるけど、無理だろうなというのがありました。今は目の前の1勝を積み重ねていって獲れたらいいと思います」と息の長い活躍を思い描き、樋口久子、岡本綾子、不動裕理らまだ6人しか獲得していない“名誉”を目標の1つに掲げている。
この優勝により、優勝賞金1440万円を積み上げ、出場試合数270で生涯獲得賞金9億円を突破した。不動裕理、福嶋晃子に続く3人目で、順位の上では福嶋を抜いて2位。「目の前の1勝だけに貪欲にいくことができている」という27歳“中堅”は、今もっとも好調だというスイングも相まって、ビッグトーナメントの続く終盤戦で賞金加算のペースをもう1段上げてきそうだ。(愛知県知多郡/糸井順子)
<ルール>ゴルフ規則19-a
パッティンググリーンの外でストロークされて動いているプレーヤーの球が、動いている局外者や生きている局外者の中か上に止まった場合、その球はその局外者の中や上に止まったところの真下にできるだけ近く、ホールに近づかない箇所に、スルーザグリーンやハザード内ではドロップ、パッティンググリーン上ではプレースされなければならない。