無念、穴井詩は後半失速し2位に終わる
今季3度目の初日首位に立った穴井詩は、「富士通レディース」の最終日を2位に3打差の通算9アンダー単独首位で迎えた。ツアー初優勝目前でスタートしたその1番(パー5)、穴井のティショットは右に曲がり木の根っこのところに止まってしまった。2打目は左打ちで横に出すだけ。3打目もグリーンまで130ヤード手前のラフに運ぶのが精一杯だった。しかし、4打目でピンの手前6mにつけてナイスパーセーブ。その後もパーを積み重ねた。
8番パー3で2.5mのバーディパットを決めて10アンダーまでスコアを伸ばした。ところが、後半に入ると10番で3パットのボギー、14番でもボギーを叩き8アンダーに後退。そして最終18番、1打差を追いかける立場になった穴井はティショットを左サイドのラフに入れ、2打目はグリーン手前の深いバンカーに捕まってしまう。チップインできればプレーオフ進出というバンカーショットは脱出するのが精一杯で、ボギーフィニッシュの通算7アンダー単独2位に終わった。
「悔しいです・・・。ティショットが思うように打てず、最初のほうはずっと緊張しっぱなしでしたので。でも、全体を見てけっこう楽しめたと思います」。アテスト場で涙を流した穴井は、それを拭い精一杯の笑顔を作ってラウンドを振り返った。
穴井を逆転しツアー初優勝を果たした成田美寿々とは、昨年のクオリファイで一緒にラウンドした時からの仲で、2人は試合でのスコアを元に勝負をすることがあるという。今大会の初日に成田がスカート姿でプレーしていたのは、前回の勝負で穴井が勝利したための罰ゲームのようなもの。過去の成績は穴井が2勝で成田が6勝と勝ち越している。
そんな仲のよい成田に優勝をさらわれた穴井。「今回も私が勝ったら、彼女にスカートねって提案したら断られました」と序々に笑顔を取り戻す。そして、今回の悔しさを「来週ぶつけます。打倒、成田で頑張ります。来週は私が勝つ番です」と、成田との勝負に勝ち、そして試合でも勝利を掴むことを誓った。(千葉県千葉市/本橋英治)