コース隣接の巨大駐車場も登場 優勝スコアは10アンダー? 『奇跡の集結』への準備
◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 事前(9日)◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川)◇6755yd(パー72)
小松空港と目と鼻の先に位置する片山津ゴルフ倶楽部は、今大会を前に広大なギャラリー用駐車場を手に入れた。北陸自動車道の片山津ICからもわずか1kmほど、コースの北側に隣接する土地には乗用車2000~2500台を収容予定。来場者が車を停め、ゲートをくぐると目の前には17番ホールが広がるという抜群のアクセス環境が整った。
そもそもこの土地は加賀市が産業団地の用地として整備したもので、将来的に企業の集積を進める目的がある。“更地”にする造成工事が終わったのが、まさに今夏のこと。絶好のタイミングで、クラブが大会期間中の駐車場利用を願い出ると、市は快く受け入れてくれたという。2015年に「日本女子オープン」をホストした際は、試合が行われた白山コースの東側にある加賀コースに駐車エリアを設けた。場内に鉄板を敷き詰めたことで芝生が傷んだが、今回そんなことはない。
当地での11年ぶりの国内女子メジャー、18年ぶりの女子プロ日本一決定戦について、地元紙の北國新聞は先月末、『奇跡の集結』と題し一面で報じた。米女子ツアーは今週、欧米対抗戦「ソルハイムカップ」が行われており、日本人メンバー15人のうち11人が帰国参戦。中でも母・有貴さんが石川県の七尾市出身、父・勝臣さんは富山・滑川市出身の山下美夢有は地元注目の的で、新たな「AIG女子オープン(全英女子)」覇者となった桑木志帆ら国内組が待ち受けるという構図に胸は高鳴る。
2024年1月の能登半島地震の影響こそ少なかったが、近年の猛暑日や大雨はゴルフコースのコンディションを直撃する。片山津も8月中旬の時点でラフが枯れたエリアもあった。幸運のひとつが、当地で通常散水する水が地下水であること。一般的にゴルフ場に備えられている“ため池”よりも低温の、白山からの伏流水が芝を早く青々とさせる要因になった。さらに名物のアリソンバンカーは記録的豪雨で崩れた個所を、周辺エリアに広がる自前の砂ですぐに修復できた。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の「優勝は通算10アンダーを5人前後で争う展開をイメージした」という狙いに沿う状況づくりには、いくつもの奇跡があった。
開幕を前に谷内一夫・取締役総支配人はまず胸を撫で下ろしてから言った。「今まさに海外で活躍している日本勢が来られる機会は、もうこれからないのではないかと思うほどです。来ていただけたことが本当にうれしいですし、なによりギャラリーの皆様が選手たちを間近で見られる機会を喜ばしく思います」。いくつかの偶然を結び付けた人々の手によって、ビッグゲームがスタートする。(石川県加賀市/桂川洋一)