惜敗で見えた「新しい自分」 桑木志帆は思い出のコースで初V狙う

◇国内女子◇伊藤園レディスゴルフトーナメント 事前（9日）◇グレートアイランド倶楽部（千葉）◇6741yd（パー72）

前週の日米共催「TOTOジャパンクラシック」で稲見萌寧、畑岡奈紗と最終日最終組でプレーした桑木志帆。優勝した稲見に1打及ばず2位に終わり、ホールアウト後には悔し涙を流したが、「（切り替えは）すぐできた。悔しかったけど、学びがあったので。だから、あまり引きずらなかった」とすぐに顔を上げた。

2日目からの54ホールは畑岡と同組でプレー。米ツアー6勝の“先輩”と並んでフェアウェイを歩いた経験は、ゴルフ人生の財産になった。

「優勝争いの姿とか、立ち居振る舞いだったりとか、本当に今までにないくらい勉強になった」。大舞台を味わったことで、海の向こうへの憧れもさらに大きくなった。「（米ツアーは）日本とはプレースタイルも違うし、派手。もっといろんなパターンのゴルフを見てみたいし、いろんなところでゴルフをしてみたい」と夢も広がった。

今季はトップ3フィニッシュが5度。V争いには絡みながらも、頂点まであと一歩届かない現状は身に染みて感じている。大会後にはメンタルコーチの辻秀一氏からもアドバイスをもらったといい、「プレッシャーのかかった中でのミスの傾向を知って、新しい自分が見えた。どんな練習をすればいいかも分かった」。一歩ずつ着実に階段を上っている。

今週の舞台、グレートアイランド倶楽部は21年の新人戦「加賀電子カップ」で優勝を挙げた思い出のコースでもある。「結構好きなコース。相性も良いと思う」。開幕前日に行われたプロアマ戦には出場せず、パッティングを中心に最終調整。「今週もまた優勝争いに加われたら」と意気込む。

将来的に海外ツアー参戦を見据えているからこそ、まずは国内でしっかりと土台を固めをしたい。「気を引き締めて、一打一打頑張りたい。いつも通りプレーして優勝できたら」と静かに闘志を燃やした。（千葉県長南町／内山孝志朗）