藤田幸希を最後の最後まで見捨てなかった、コースの女神
2007/06/24 18:00
藤田幸希が2位に4打差をつけて迎えた、「プロミスレディス」最終日。藤田は昨日まで入っていたパットが決まらず、2位タイスタートの上田桃子に徐々に差を詰められる苦しい展開。そして15番パー5で上田がバーディを奪い、逆に1打のリードを許してしまう。
上田がそのまま1打リードで迎えた最終18番。このシチュエーション、単独首位が古閑美保だった違いがあれど、昨年大会の最終日とほぼ同じ。しかも、ここで藤田が「ラインの途中から、昨年決めたパットのラインと同じだった」という5メートルのバーディパットを沈め、まるで昨年の再現のような、最終18番でバーディを奪ってのプレーオフに突入した。
18番で行われたプレーオフの1ホール目。藤田はティショットを左に引っ掛け、林の方向に。「あー、終わった」と思ったという。それが、セカンド地点に行ってみると、なぜかセミラフにボールが。実は、林の方向へ飛んだボールが小枝に当たり、フェアウェイ方向に戻って来ていたのだ。初日から繰り返し言葉にしている「相性の良さ」をここでも発揮した藤田が、結局プレーオフ1ホール目で上田を破り、大会2連覇を達成。最終18番で追いつき、プレーオフで勝ち、そして大粒の涙が止まらなかったことまで、昨年大会の再現のような最終日だった。
昨年大会の勝利以降はヒザを痛め、しばらくは歩くこともままならなかったという。その後も調子が上がらず、“ゴルフを辞めようかな”と深刻に悩んだ時期もあった。その中で掴んだ、1年ぶりの勝利。ヒザの痛みは、今ではすっかり回復しているという藤田は、「つらかった2勝目も達成して、あとは前に進むだけです!」と力強く話した。