「女子プロ選手権」最年少V 川崎春花が遂げた初の“下剋上”
◇国内女子メジャー◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日(11日)◇城陽CC(京都)◇6555yd(パー72)
最終18番、8mのバーディパットを決めて右拳を突き上げた。19歳のルーキー川崎春花が1イーグル、6バーディ「64」をマーク。4位から出て通算16アンダーとして4打差を逆転し、ツアー初優勝をメジャーで飾った。
「信じられない気持ち。最後のバーディパットが決まったときは鳥肌が立った」。地元・京都の歓声を力に変えた。前半8番でイーグルを奪うと、12番から4連続バーディ。14番(パー5)は74ydから58度で1.5mに寄せ、森田遥と並んで首位に浮上した。
続く15番で、168ydから6UTで5mにつけたチャンスを生かした。単独トップに躍り出て、最終的に3打差で圧勝した。
予選会で出場権を得ての優勝は大会史上初の“下剋上”。また、19歳133日での優勝は、2014年(兵庫・美奈木ゴルフ倶楽部)の鈴木愛(20歳128日)による大会年少レコードを更新した。
ピンクの優勝ブレザーに身を包みながら、「今回はライン読みができていた。成長した。ビビらずに攻めていこうと」。昨年11月に合格したプロテストと同じ会場の城陽CC。テスト2日目にスコアを落とし、手が震える中で泣きながら練習したのも今となってはいい思い出だ。
憧れの選手は昨季の賞金女王・稲見萌寧。「本当にゴルフにストイック。試合でミスしても稲見プロはミスがミスにならない。そこからバーディを取ってくる。本当の強さを感じる」。稲見に続いて日本一の女子プロゴルファーとして名を刻んだ。
「小学校の時とかはやめたかった。ずっと球を打って飽きたりした。やめたかったがベストスコアが出ると楽しくて続けていた」。7歳から競技を始め、今季は腰痛に苦しむこともあったが、愚直にコースと向き合い、3連続予選落ちからの快挙を達成した。
「目標とされるプロになりたいですし、たくさんの方から応援されるプロゴルファーになりたい。きょうはとにかく諦めない気持ち」。郷里で大きく前に進んだゴルフ人生は、まだ始まったばかりだ。(京都府城陽市/玉木充)