渋野日向子は1打1打と向き合う“国内再始動”の第一歩
◇国内女子メジャー◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 事前(8日)◇静ヒルズCC (茨城)◇6680yd(パー72)
「眠いっす」。この日がイギリスから帰国して2週間の隔離明けとなった渋野日向子は、そういって苦笑いした。4月から3カ月の米ツアー参戦を経て、国内で3試合に出場し、締めくくりは「AIG女子オープン(全英女子)」へ。日本と海外を渡り歩いた2021年だが、ここから11月末の米女子ツアーQスクールまでは、国内ツアーに専念する。
再スタートとなるメジャー大会は、「距離も長いし、フェアウェイも狭い。ラフも長くて、入るところによっては本当に打てない。グリーンもアンジュレーションがすごくてかなり仕上がっていて、厳しいセッティング」と容易ではない。練習ラウンドはこの日回った18ホールのみ。「かなり調整不足だと思うけど、予選2日間で合わせられるようにできたら」と、隔離生活のブランクも含め、実戦でアジャストしていく。
隔離中は自宅の鳥かご(ネット)で、スイングテンポが速くなって出るミスを防ぐことを意識した打撃練習と、トレーナーにもらった器具や、父・悟さんが「趣味で持っていた(笑)」という15kgのダンベルを使ってトレーニングに勤しんだ。「あと、アニメをすごく観ましたね。ネットフリックスで『転生したらスライムだった件』というのを、1日2日くらいで全部見た!」
メジャー大会とはいえ、目の前の結果だけを追い求めるつもりはない。海外ツアーに出場して感じた差をどれだけ埋められるか。「連続ボギーやダボを打つ回数も多くて、そういうところで差を感じるし、パー5でどれだけバーディを取れるか、ショートアイアンでどれだけチャンスにつけられるか。ドライバーの飛距離アップもしたい。大きな大会なので力は入るだろうけど、1試合1試合を大事にしていく」と課題とも向き合っていく。
まずは、4日間戦うことが今週の第一関門。「難しいセッティングなので、ラフからのショットやアプローチなど、レベルの高いショットをしっかりやりたい。そこに行ったときにどう対応できるのかを1打1打やっていきたい」と、目の前の1打1打を学びへと変えていく。(茨城県常陸大宮市/今岡涼太)