28歳・青木瀬令奈が考える「引退」 コロナ禍の不安
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 3日目(12日)◇六甲国際GC(兵庫)◇6517yd(パー72)
9位から出た青木瀬令奈が7バーディ、1ボギーの「66」でプレーし、トップと4打差の通算12アンダー2位で最終日を迎える。最終日をトップ10以内で迎えるのは2019年「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」以来のことだ。(最終順位4位)
20年からプレーヤーズ委員長を務める青木は、21年も選手たちのとりまとめ役を担っている。コロナ禍でオンラインでのミーティングが増える中、「『何でも言ってね』と選手たちには声かけているけど、LINEとかでわざわざ話すほどではないとか、なかなか意見が出てこない」と悩みの種を打ち明けた。
さらに2月に28歳を迎えた青木は先が見えないコロナ禍で「不安」もふくらんだ。「全国的に、いろんな職業の人がこのコロナ禍で先を考える人が多かったと思う。28歳になって、引退の歳を考えがちになった」と話した。
それでもそんなネガティブな状態から抜け出せたのが、同じ高級腕時計メーカー「リシャール・ミル」と契約を結ぶレーシングドライバー松下信治氏からの言葉だった。
今年5月に会った青木は「自信の無さとか、考え方、将来に対する不安を抱いているのを見抜かれて、潮時を考えるようになっていたけど『今自分がいる場所はなりたくてつかんだ場所なんだから、自分から降りることはないんだよ』。そう言われて、本当にそうだなって」と前を向くきっかけとなった。
首位には稲見萌寧、2位には青木を含めて4人の混戦模様となっている。「ショットに関してはトップの位置がこぶし2個分ぐらい下がっていた」とパッティングとともに修正するポイントはあるが、「今週は(メンタル部分は)徹底してできている。観客はいないけど、久しぶりに(優勝争いの)空気を楽しめれば」と笑顔を見せた。(神戸市北区/石井操)