東浩子「やっと実力の7割くらい」クラッチパットを決め返すもプレーオフ敗戦
◇国内女子◇デサントレディース東海クラシック 最終日(20日)◇新南愛知CC美浜コース(愛知)◇6456yd(パー72)
初優勝のチャンスを20歳・古江彩佳に阻まれた28歳の東浩子は「結果は残念です。ただ自分のプレーはできました」と潔くプレーオフ敗戦を受け止めた。勝敗を左右するクラッチパットを決め返す見せ場をつくり、自己最高の2位。「期待感が上がりましたね」と前を向いた。
観客がいたら大歓声が上がっていただろう。それほどのビッグプレーが最終盤に飛び出した。同じ最終組の古江に先に18mのバーディパットを決められた18番。「『あ、入った』と思った。でも自分がうまく打てば良い、と冷静でしたね」。外せば負ける7mのフックラインを流しんでバーディ。自身初となるプレーオフへと持ち込んだ。
「プレーオフに入るときの心境も普通。何も変わらなかった」。唯一の後悔は18番で行われたプレーオフのセカンドショットだった。正規の18番より4ydほどピンまで遠い。風はアゲンスト、グリーンサイドに広がる池が視界に入った。9Iで「攻め切れなかった」とわずかに緩みが生じ、ピン下7m。直後に古江が2打目を30cm弱につけて勝負がついた。
ショットメーカーだが、パットと勝負弱さが課題と自覚していた。今年からメンタルトレーニングを取り入れるなど、プレッシャーとの付き合い方に変化が出ている。事実、今大会は計55ホールを回ってボギーは初日の9番ただ1つ。「今までは自分の実力の5割くらいしか出せていなかった感じ。やっと7割くらいになったのかな。これで10割になったら無敵ですよ」と冗談めかしながら手ごたえをにじませた。
次戦の「日本女子オープン」の出場資格はなく2週間のオープンウィークに入る。次週は地元の岡山県に戻り、その翌週は拠点にする東京で過ごすという。「(古江は)手ごわかったですね、すごいです。(私は)自分のゴルフができればこれからも優勝争いをできると思う」。マッチレースを演じた後輩を素直に称えながら、自身の飛躍に期待感を込めていた。(愛知県美浜町/林洋平)