鈴木愛は11月に6550万円を荒稼ぎ 開幕戦“0円”から女王奪還
◇国内女子メジャー第4戦◇LPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(1日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6535yd(パー72)
賞金ランキングトップでシーズン最終戦を迎えた鈴木愛が通算5アンダーの5位で終え、2年ぶりに賞金タイトルの奪還を果たした。故障を乗り越えながら自己最多の年間7勝を挙げ、終盤は申ジエ(韓国)と渋野日向子による三つどもえデッドヒートを繰り広げたシーズンを追う。
■獲得賞金“0円”からのスタート
女王奪還に向けたシーズンは、いきなり3月の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」からつまずいた。カットラインに1打届かずに26試合ぶりの予選落ちとなり、獲得賞金“0円”からのスタート。しかし、翌週の第2戦「PRGRレディス」で早々に今季1勝目を挙げ、1440万円を加算して一気に賞金ランキング2位に浮上。年間7勝への一歩目を踏み出した。
その後も着々と賞金を積み重ねたが、5月の国内メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパス杯」では背中痛のため途中棄権。同週に渋野がツアー初優勝を飾り、ニューヒロイン誕生の陰でシーズン序盤に不安を残す結果となる。
■今季初の賞金ランクトップ浮上とツアー離脱
4月ごろに発症した左足首痛を抱えながらも、海外メジャー「全米オープン」出場を挟んで4週ぶりに出場した6月「宮里藍 サントリーレディス」、さらに翌週の「ニチレイレディス」と2連勝を飾って3240万円を加算。2週前は10位だったランクを今季初めてのトップに上げて、ランク2位の申を約920万円リードした。
だが、翌週の「アース・モンダミンカップ」を制した申にわずか1週でトップの座を明け渡し、以降は申に2500~3000万円差をつけられる週が続く。夏場からは左手首痛にも悩まされる中、9月の「ニトリレディス」で今季4勝目を飾ったが、同月「デサントレディース東海クラシック」を最後に4週間ツアーを離脱。高額賞金の「日本女子オープン」も左手親指と左手首痛により欠場を強いられ、ようやく復帰した「マスターズGCレディース」では今季2度目の予選落ちに終わった。
5週間にわたって賞金を加算できない時期が続き、賞金ランクは4位にとどまっていたものの、シーズン5試合を残してトップを走る申との差は最大3800万円まで開いた。
■3800万円差からの大逆転 11月に6550万円を荒稼ぎ
11月に入ると、記録的なラストスパートが幕を開ける。「樋口久子 三菱電機レディス」、「TOTOジャパンクラシック」、「伊藤園レディス」とツアー史上12年ぶりとなる3連勝を達成し、6月以来となるランクトップに返り咲く。続く「大王製紙エリエールレディス」では渋野との接戦に敗れて2位に終わったが、11月の4試合で約6550万円を加算。ここまで今季24試合のうち、全体の4割を超える賞金をこの4週間で荒稼ぎした。
ランクトップに立ち、2位の申と、3位の渋野に約1500万円をつけて迎えたシーズン最終戦。単独2位以上が条件だった自力での決着はつけられなかったが、ランク2位の渋野に757万5351円差をつけて2年ぶりとなる女王タイトルの奪還に成功した。