イ・ボミ 惜敗2位も完全復活へ「自分が楽しめた」
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(27日)◇マスターズGC(兵庫)◇6510yd(パー72)
首位と5打差の3位から出た2015、16年賞金女王のイ・ボミ(韓国)が「68」で回り、1打差の2位に入った。2017年「CAT Ladies」以来のツアー通算22勝目には届かなかったが、2年ぶりの最終日最終組。重圧の中で最後まで優勝争いを演じ切った。
声援にため息が入り混じる―。完全復活でもう一度、あのスマイルを。そんな期待感が会場を包み込んだ。1組前の柏原明日架と1打差の17番(パー3)。6mのバーディチャンスはわずかに外れた。最終18番では10mを残した。入れればプレーオフへ持ち込める元女王のバーディパットがカップを逸れると落胆の声が響き渡った。
所属先の延田グループ主催の大会。前年は初の予選落ちに号泣した。今年は緊張感あふれる最終日に4バーディ、ボギーなしで、今季6度目のトップ10。昨季は自己ワーストの賞金ランク83位で賞金シードを逃した。どん底から這い上がり、ベストを尽くした。
ラウンド後は報道陣を前に開口一番、茶目っ気たっぷりに言った。
「みんな応援してくれてたでしょ?」
笑いを誘いつつ、「今日は楽しくできたし、スコアも良かった。ショットが良くなりました。ただパットのストロークミスがあった。そこを、もうちょっと良くして、また優勝できるように頑張りたい」と力を込めた。
賞金ランキングは25位に浮上した。優勝者や同ランク30位までが出場できる最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」への2年ぶりの出場権も見えてきた。母国ツアーなどをはさみ、次戦は3週間後に過去3勝の「伊藤園レディス」に出場する。
完全復活への確実な歩み。「朝、新聞を見たら、私の写真が今日はすごく大きくて。本当に嬉しかったし、自分が楽しめた一週間でした」。悔しさの中にも充実感を漂わせて、帰りの車へと乗り込んだ。(兵庫県三木市/林洋平)