キャディたちのヒソヒソ話 本気モード申ジエの驚がく練習風景
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 3日目(26日)◇マスターズGC(兵庫)◇6510yd(パー72)
大会開幕2日前の22日(火)、パット練習場付近で数人のキャディがヒソヒソとある選手の話をしていた。その光景を“伝え聞いた”キャディも、“目撃”したキャディも苦笑いを浮かべている。
「昨日、5時間近くパット練習場にいたらしい…」「見た。めちゃくちゃ真剣にパット練習を続けていた」「これは完全に本気モード」「彼女ほど狙いにいくタイトルを逃さない選手はいないもん…」
例年以上に速さが出たグリーンに対し、余念なく調整し切ったのが元世界ランキング1位ならば、驚がくが混じり入るキャディたちのトーンにもうなずける。満場一致で、話は終わった。「これは今週、申ジエかな」――。
現在、賞金ランキングトップ。9月中旬に帰国した韓国で足を滑らせて左足首痛を患い、「日本女子オープン」以来3週間ぶりの出場になるが、テーピングを巻いて痛みは軽減されている様子だ。
申は「(月曜日に)どれほど練習したかは覚えていないけど、かなりコースにいた時間は長かったですよ」と余裕の笑みを見せる。2009年に制したコースを前に「今のショットの感覚を維持できると、いいチャンスが来るのではないかと思います」と力を込めた。
優勝賞金はツアー最高額の3600万円。約610万円差でランク2位の渋野日向子の前に立ちはだかる高い壁は「年末に近づいて、最終目標を追いかける傾向があったけど、毎試合が大事だと思う。結果よりも過程を大事にします」。2打差2位で迎えた第3ラウンドで「71」と伸び悩み、その差は6打に開いたが、すでに手にした韓国、米国に加えるべく、日本ツアーで初の賞金タイトルを狙い最終日に臨む。(兵庫県三木市/林洋平)