2019年 日本女子オープン

渋野日向子になぞらえる境遇 元世界1位「自分のままで」

2019/10/02 18:27
青木翔コーチ(写真右)らとともに最終調整を終えた渋野日向子

◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープンゴルフ選手権競技 事前(2日)◇COCOPA RESORT CLUB白山ヴィレッジGC QUEENコース(三重)◇6479yd(パー72)

渋野日向子が史上初の「ツアー本格参戦1年目での国内メジャー2勝」という金字塔に向け最終調整を終えた。開幕前は2大会ぶりに帯同する青木翔コーチとわずかに右向きのアドレスを修正した。最年少賞金女王戴冠に向けては、賞金ランキング1位・申ジエ(韓国)と約1100万円差。「今まで頑張ってきたことをぶつける。上位争いしたい」と意気込んだ。

過去2度の大会出場時(16年、17年でともに予選落ち)とは、状況がまるで違う。「当時はコースが難しく感じすぎて、回ることに必死だった。技術はその時よりも上がった」。実力は確実に、格段に上がった。8月の「AIG全英女子オープン」制覇後、2度目の国内メジャーで背負う期待も当時よりはるかに大きい。

元世界ランク1位がメジャー制覇後の重圧を語った

“シンデレラガール”のみが知る重圧の受け止め方を、自身の境遇になぞらえて語ったのは予選同組で回る元世界ランキング1位(現15位)、29歳のユ・ソヨン(韓国)だった。

開幕前日に公式会見に出席した前年覇者のユは2011年、メジャー出場4試合目にして「全米女子オープン」で米ツアー初優勝を飾った。当時21歳。「私の場合も、自分でも思がけない(海外)メジャー優勝。ただやっぱりメジャーで勝つと人生が一変した。アメリカでも、どこに行ってもメジャーチャンピオンとして紹介される。自分の国でも周りの期待を背負うことになった」と振り返る。

周囲の変化を肌で感じながら「何より大切なことは自分のままでいること。変わることなく自分のスタイルを貫くことだったと思う」と述べた。母国にゴルフを知らない友達がいたことや、妹と米国旅行を楽しんだことが、重圧を軽くした一因だったとも言い、その後は世界ランク1位まで上り詰めた。

ユは渋野の全英でのプレーを見ており「飛距離も出る選手。そして楽しんでプレーしている」と印象を述べた。畑岡奈紗を交えた予選同組に「自分よりも若いけど2人に学ぶ点がある」。一方の渋野は「良い組に入ってギャラリーさんも多いと思う。すごく良い経験が出来る」と開幕に目を向けた。(三重県津市/林洋平)

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