球を打たずに7時間 “練習の虫”比嘉一貴のルーティン
◇国内男子◇中日クラウンズ 2日目(3日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)
この4月で24歳になったばかりの比嘉一貴を、岡本史朗キャディは「ビジェイ・シン並みの練習量」と評してはばからない。かつて米ツアーで“練習の虫”として知られたシンのように、比嘉は国内ツアーで屈指の練習量を誇っている。
その熱心さは練習だけに留まらない。先週はブルネイで行われたアジア下部ツアーに出場し、日本に戻ってきたのは日曜日の朝(大会は土曜日フィニッシュ)。その日はホテル近辺の練習場で打ち込むと、翌月曜日は今回初挑戦となる“和合”の下調べに費やした。
これは毎週の比嘉のルーティンとなっているが、月曜日は水平器を使いながら、全18グリーンの傾斜の強さを調べてメモに記していく。「このコースで5時間くらい。グリーンが大きいと7時間くらい掛かりますね」と、球は打たずにひたすら情報を書き留めていくのだ。
ホールアウトしてからも、その日の課題を潰すために練習場で数時間を過ごすのが日課だ。初日は「67」で終えたが、得意のはずのショートゲームにズレを感じ、トラックマンを持ち込んで100yd前後の調整に費やした。「69」とした2日目は、「ティショットのミスが多かった。気持ち悪いホールがいっぱいあったので、練習が大変になりそうです」と、悪いイメージを潰すために、各ホールのティショットを想定してイメージを上書きしていく。
予選2日間を通算4アンダーで終えて、首位と2打差の8位につけている。「平成の最後を締めることができなかったので、令和のスタートを優勝で始められたら嬉しい。令和を代表するプロになりたいというのもある。今週はやっぱり大きい。勝ちたいですね」。その思いを、行動があと押しする。(愛知県東郷町/今岡涼太)