松山英樹は人生初の誤球を猛省「本当に申し訳ない」
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 初日(15日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7027yd(パー71)
4年ぶりの大会優勝を狙う松山英樹がまさかのトラブルで出遅れた。前半14番の第2打で同組の星野陸也のボールを誤って打ち、2罰打を加えた。同ホールをダブルボギーとし「72」。1オーバーの56位タイで滑り出した。
3566人が来場した大会初日、石川遼を交えた3サムは序盤から多くのギャラリーを引き連れた。誰もが思いがけないミスを松山が招いたのは、13番でバウンスバックのバーディを決めた直後のパー4。第1打を1Wで左ラフに入れると、松山は2打目をグリーンに乗せた。続いて同じ左ラフから打った星野は左サイドのカラーに落としたが、たどり着いたグリーンでボールを受け取った進藤大典キャディがミスを発見した。
競技委員も事情を聞くと思わず頭を抱える仕草を見せた。ゴルフ規則(15-3b誤球)により、もとの位置から2罰打を加えて打ち直し。ともにダブルボギーをたたいた。
松山は普段、白いボールに黒マジックで線を書き込んでいる。第2打地点をチェックした際、ラフに埋まった白球の黒いラインを目にして自分のボールだと思い込んでいた。「(誤球は)初めてですね。人生で。本当に不注意でした。陸也の(球)にはラインが入っていないと思っていた。僕の方が(ティショットが)飛ばないだろうという推測もあった」という。「僕だけ2ペナだったら良かったんですけど、陸也も2ペナになったので本当に申し訳ない」と猛省した。
一方の星野も恐縮しきり。「確認することなく(2打目を)打ってしまった。自分が先に(松山が打つ前に)確認していれば、“間に合った”かもしれない。逆に申し訳ないです」。試合で始めて同組になったふたりはともに住友ゴム工業と用具契約をしており、同じ種類のボールを使っていることも災難を招いた要因と分析した。
トラブルの直後、後輩プロに対して松山は「よし、切り替えよう。そういう時もある」と声をかけ、判別しやすいように自身のボールにマークを書き足した。ともに1オーバーでラウンドを終え、「(星野も)盛り返したのでホッとしています」と安堵。トップとは6打差で迎える2日目に向け、「(全体のスコアが)伸びていないから上位に行けるチャンスもあると思うが、(自分の)状態からしたら厳しいという感じがある。それでもちょっとずつ良くなっていることを信じて、あしたもしっかり準備をしたい」と懸命に胸の内を整理した。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)