後輩だって「半端ないって!」 稲森佑貴が5連続バーディ発進
◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 初日(21日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ (福島)◇6961d(パー72)
ツアー初優勝が待たれる稲森佑貴が首位に1打差の3位発進を決めた。午後のティオフ直後、前半10番からいきなり5連続バーディをマークするなど「65」。7アンダーで滑り出した23歳は、実はサッカー日本代表の“半端ない”ストライカーの後輩にあたる。
大会を主催するダンロップと用具契約を結ぶ稲森は、今大会でお披露目された未発売モデルのアイアンを握った。バックフェースに「Z585」と記されたキャビティタイプ。「テストをしてきて、スピン量は増したけれど飛距離も落ちていない。これなら行けると思いました」という感触をさっそくスコアに表した。
同じ組の石川遼、秋吉翔太といった先輩プロをグイグイけん引。首位に並んで迎えた最終9番で強烈な下り傾斜から3パットボギーを喫したが、「最後は運がなかった」とサラリと受け流した。
まだ23歳ではあるが、プロ生活は8年目。高校2年だった2011年にプロテストに合格し、2015年からはシード選手として初勝利を追っている。出身の鹿児島城西高には偉大な先輩がひとり。サッカー日本代表のFW大迫勇也選手は3学年上の先輩にあたる。
大迫選手の卒業と自身の入学は“入れ替わり”で、同じ時間を過ごすことはなかったが、会ったことが一度だけある。「たぶん…いや、絶対覚えられていないと思うんですが…」というのはその稲森の高校時代。当時鹿島アントラーズに在籍していた先輩を含め、卒業後にプロのアスリートになった各運動部のOBが同校に集まった際、現役生ですでにプロゴルファーだった稲森もその場に参加したという。
当時を「なんで僕がここにいるんだろうという感じだった」と振り返るが、今週はいっそう鼻が高い。ロシアW杯のグループリーグ初戦をテレビ観戦し、コロンビアを撃破した決勝点を目撃してもちろん思った。「大迫、半端ないって!」
いまや日本中の注目の的に、ちょっとでも近づきたい。けれど、福島のギャラリーは「僕が城西出身だと知らないんじゃないですかね…」とポツリ。今こそ、名前をひろめる半端ないチャンスだ!(福島県西郷村/桂川洋一)