「プラン通りいかない」石川遼“薄氷”勝利の収穫/千葉オープン
◇ツアー外競技◇千葉オープン 最終日(6日)◇太平洋クラブ成田コース(千葉)◇6533yd(パー72)
石川遼が2日間競技のツアー外試合「千葉オープン」で優勝した。7アンダーの単独首位から出て4バーディ、5ボギー1ダブルボギーの「75」。通算4アンダーにスコアを落としたが、最終ホールで他選手をなんとかかわして面目を保った。
後続に3打のリードを持って最終組でスタートした石川は、2日目に突如強くなった風に悩まされた。前半6番で1Wショットを右サイドに曲げてOBとし、ダブルボギーをたたくなどハーフターンまでに2つスコアを落とした。
後半13番で4mを沈めてバーディとしたものの、3パットをたたいた14番から2連続ボギーで単独首位の座を失った。緊張感が高まった終盤戦。勝負は意外な形で決した。最終18番(パー5)でパーを拾った後、4アンダーで並んでいた同組の太田直巳が1mのパーパットを外してボギー。プレーオフを覚悟した矢先に石川に勝利が転がり込んだ。
「優勝するときはやはり最後まで分からない。(通算)10アンダーまで行けば勝てると思ったが、プラン通りにはいかない。負けても仕方がないスコアだった」。薄氷の勝利。参加したプロ選手の大半が、今後のツアー出場を目指すクラスの大会だった。初日に石川が独走態勢を築いたことで、場内には「勝って当然」という空気が漂った。だが、本人は「きのうが上手くいきすぎた」というのが本音だった。
優勝賞金360万円の大会規模はともかく、勝利は2016年「KBCオーガスタ」以来となる。技術的には6番、15番(パー5)と1Wで大きく右にミスしながら、その後のラウンドで修正し13番、18番(パー5)とそれぞれ会心のショットを打てたことが収穫。
また、今大会で初めて投入した3I(キャロウェイ XフォージドUTアイアン)と新しいボール(キャロウェイ クロムソフトX)も結果を呼び込んだ。「この展開でバックナインを戦う緊張感はどのトーナメントでも、どのツアーでも関係ない」。重圧を背負いながらプレーしたことを、本格復帰した日本ツアーの開幕に向けて良い材料として位置付けた。
試合後は足早にコースを去り、次の戦いへ向かった。あす6日(土)からは再び2日間競技の「岐阜オープンクラシック」(各務原カントリー倶楽部)に出場。次週の日本ツアー「東建ホームメイトカップ」(東建多度カントリークラブ・名古屋)に向け、最後の実戦機会にトライする。(千葉県成田市/桂川洋一)