優勝すれば賞金王目前 それでも小平智は「追う立場で」
◇国内男子◇カシオワールドオープン 事前情報(22日)◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7315yd(パー72)
賞金レースはいよいよ大詰め。ランキングトップを走る小平智には今週、次週の最終戦「日本シリーズJTカップ」(東京よみうりカントリークラブ)を残して賞金王に輝く可能性がある。今大会で優勝(4000万円)し、約1717万円差の2位につける宮里優作が単独2位を外すと、2008年に国内女子ツアーで女王となった古閑美保夫人との夫婦賞金(女)王が誕生する。
前週の「ダンロップフェニックス」は2日目に体調不良で途中棄権。今季出場全試合で決勝ラウンドを戦ってきた小平は、東京の自宅で過ごした久々の週末を「意外と新鮮でしたね」と風格漂う言葉で表現した。「DVDを借りて見たり、犬と遊んだり」。服用する薬を最小限に抑えて、回復につとめたという。
開幕前日22日(水)は依然として鼻声だったが、元気な様子でプロアマ戦をプレーした。表情を明るくさせたワケは“商売道具”の変化にもあった。2週前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で今季2勝目を挙げた際に使用していた1W(プロギア RS ドライバー F)を、さらに改良した同モデルのヘッドが今週手に入り「楽しみで仕方がない」という。「職人技で、重心の位置を変えてもらったりして。思い描いた球が出た」と契約先のプロギアの担当者に感謝した。
初のビッグタイトル獲得へのカウントダウンが始まる中、主役の姿勢は変わらない。「賞金王を意識しないでやってきたら、(結果的に)賞金王争いができているので。やっぱり自分は世界ランキング50位以内を目指したい。マスターズに出たい」。現在の54位のランクを上げて、年末の50位以内を確保するべく、12月14日(木)から行われるアジアンツアー「インドネシアマスターズ」(ロイヤルジャカルタGC)への出場も検討中。「追われるのではなく、追う立場としてやっている」。慢心はいまもない。(高知県芸西村/桂川洋一)