1Wを握ったのは2ホールだけ 石川遼は試行錯誤のイーブン
◇国内男子◇ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2日目(20日)◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉)◇7119yd(パー71)
国内ツアー復帰2戦目を迎えた石川遼は2バーディ、2ボギーの「71」で回り、イーブンパーの45位タイと出遅れた。不振の1Wを使用したのは18番、9番(いずれもパー5)の2ホールだけ。3Wでのティショットを繰り返し、ゲームメークとスイング修正に努めた。
大会初日の中止により、1日遅れで始まった第1ラウンド。ぱらつく小雨の下で、石川は自らの“代名詞”とも言える武器を鞘にしまい続けた。開幕前に「1Wよりも3Wの方が良いスイングができている」と宣言したとおり、第1打で3Wを多く選択。前半11番で左のセミラフからピンそば2m、13番で左ラフから1.5mにつけて2バーディを先行させたが、その後は耐える展開が待っていた。
石川はティアップした状態から、好天では3Wでキャリーを平均270~275yd出す。このコースは必ずしもビッグドライブが求められるわけではないが、同組のマット・クーチャー、宮里優作の両者が1Wを握りながら、石川が3Wで打ったホールは14番以降で6ホールあった。
セカンドショットで多くオナーを担当し、チャンスをなかなか作れない。「3Wは芯より下の方に当たったり、フェースが上を向いて当たるようなミスショットが多かった」と、1W以外のクラブでのフェアウェイキープ率も50%(12ホール中6ホール)と安定感を欠き、2m弱のパーパットを外した後半3番、7番でボギーをたたいた。
この日、3Wを多用したのは、1Wショットの安定しないスイングを修正するのが狙い。1Wを握った最終9番のティグラウンドでは「これだけドライバーを打たないと楽しみだった」という。ボールは左ラフに大きく曲げる結果となったが、「今までは振れなかったり、ボールに合わせたりして、ドライバーで打つワクワク感がなかった」と、久々に得る感覚もあった。「ミスになったのは残念でしたけど、『曲げないように』という守りに入ったスイングではなかった。ああいうアグレッシブなスイングをしないといけない」
ラウンド後は雨が降るドライビングレンジで、この日も1Wと3Wを繰り返し打ち込み。「ネガティブなところが見えてくる時期。目をつぶるのではなく、ひとつひとつ解明する時期にしたい」。懸命な試行錯誤はまだ続く。(千葉市緑区/桂川洋一)