「記録との戦い」に打ち勝つV 宮里優作に新たな勲章
◇国内男子◇HONMA TOURWORLD CUP 最終日(8日)◇京和カントリー倶楽部(愛知)◇7190yd(パー71)
快挙への重圧に打ち勝つ一日となった。2打リードの単独首位からスタートした宮里優作は3バーディ、ノーボギーの「68」とし、通算22アンダーで今季3勝目を達成した。ツアー史上初めて(記録が残る1985年以降)となるノーボギーでの優勝を果たし、「このようなゴルフができて自信になった」と充実感に浸った。
出だしの1番でピンそば1mにつけ、バーディ発進。早々に20アンダーに乗せた。後続が停滞し、4番を終えた時点で2位と4打差。そんな展開もあったのか、「途中からボギーを打たないようにしている自分がいた」と、記録への意識とプレッシャーは増した。
6打リードの9番では、ピン手前20mからのファーストパットが3mオーバー。「ボギーかな…」との不安が頭をよぎったが、これを沈めてピンチをしのいだ。
その後は自分自身との闘い。「ボギーが来てもいいから、しっかりピンを狙っていこうと切り替えられた」。サンデーバックナインのバーディは1つだったが、9ホールすべてでパーオンに成功した。最終18番(パー5)も2パットのパーとした。「いろいろ試された結果のノーボギー。打ち勝つことができた」と、胸を張って大記録を完結させた。
約50cmのウィニングパットを沈めてボールを拾い上げると、人差し指を天に向け、空を仰ぎ見た。この日は昨秋に他界した義父の一周忌。今週月曜日には妻の紗千恵さんと墓参りし、「いい風を吹かせてください」と手を合わせたという。
7月上旬の「セガサミーカップ」終了後に譲っていた賞金ランキング1位に返り咲いた。「ランクは毎週変わるものだけど、その中にどれだけ身を置けるかが大事。ノーボギーの4日間は後半戦に生きてくると思う」。新たな勲章を得た37歳が賞金王へまい進する。(愛知県豊田市/塚田達也)