「誰に対しても尊敬を」32人に向けたトム・ワトソンのメッセージ

◇国内男子（ツアー外競技）◇ネスレインビテーショナル 日本プロゴルフマッチプレー選手権 レクサス杯 初日（17日）◇恵庭CC（北海道）◇6903yd（パー72）

1回戦の16マッチ終了後、今年から大会アンバサダーに就任したトム・ワトソンによる講演会が催され、各世代で活躍するマッチプレー出場の32選手に向けて熱弁をふるった。

自らの経験に基づく、海外メジャー通算8勝を誇るレジェンドのメッセージ。試合前には期間中の天候や風向きを必ず把握しておくこと、ふとしたことでショットのスランプから脱け出せた体験談など、テーマは多岐に亘った。講演は約1時間にもわたり、選手の中にはメモ帳にペンを走らせる姿もあった。

中でもワトソンが何回も繰り返したのは「リスペクト（尊敬）」という言葉だ。「プロゴルファーは、いろいろな人に恩返しをしないといけない立場にあると思う。誰に対しても相手を尊敬すること。ゴルフをする上で一番大切なことだと思います」。

競技に出場した際には、プロアマトーナメントの同伴アマチュアを含めて必ず3、4人の新しい友人ができるという。誰に対しても尊敬の念をもって接する姿勢こそ、ワトソンが多くの人に愛されているゆえんだろう。

講演終了後には、檀上から降りて選手一人ひとりと握手を交わし、声をかける姿があった。「私たちは、みな兄弟同士。みなさんも兄弟と思って話して欲しい」。ワトソンの温厚な人柄に満ちた1時間だった。（北海道千歳市／塚田達也）