過去には9打差逆転も 5打リードの今平周吾はかく戦う
◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 3日目(20日)◇城陽カントリー倶楽部(京都府)◇7037yd(パー71)
「鉄壁のディフェンスやな」と舌を巻いたのは、同じヤマハ契約の谷口徹だ。初日から2日間首位を守る今平周吾が、ムービングデーとなった3日目も4バーディ、2ボギーの「69」と順調にスコアを伸ばし、通算8アンダーの単独首位。フィールドでただ1人3日間を60台でラウンドし、54ホールで叩いたボギーは4つだけ。後続に5打差を付け、ツアー初優勝へ大きく前進した。
「予選2日間より、緊張感のある中でのプレーだった。狭いホールとか、気持ち良く振るのが難しかった」と、フェアウェイキープはきのうと同じ57.1%(8/14)に留まった。それでも、フィールド全体では13位タイと悪くはない。
この日は前半の3番でボギーが先行。5番では2mのバーディチャンスを逃したが、8番で3mを沈めると、9番は右バンカーからバックスピンでピンそば80cmに付けて連続バーディ。「8番は良いバーディだったし、9番は(右に出たけどバンカーに入って)ラッキー。気持ちに余裕ができた」と、後半も危なげなくスコアを伸ばした。
2位とは5打差。ツアー初優勝はすぐそこに見えているが、最終日最終組は3度目でも、最終日を単独首位でスタートするのは初めてのこと。この日、同組で回った小野田享也が「84」を叩くなど、このコースには落とし穴がないわけではない。
6打差を追い掛ける3位の高山忠洋は、「セーフティに行こうとすると苦しむかもしれない」と、逃げる気持ちを推測する。同じく3位の片岡大育も「この難コース、厳しい条件なので、いくら差があってもトップとしては嫌な気持ちだと思う」という。
国内男子ツアーでは、過去の最多スコア差逆転優勝は9打差という記録がある。直近では、2013年の「日本プロ」を制したキム・ヒョンソン(韓国)。3日目を終えて首位にいたのは、当時プロ1年目の松山英樹だった。
「なにが起きるか分からないし、慎重にいきたい。無駄なボギーを打たないように、そしてチャンスが来たらバーディを獲れるように。序盤にボギーが来ても、最後まで諦めなければ絶対にチャンスは来ると思う。そこをずっと思いながら、18番まで集中してやりたい」と、今平は力を込めた。
大一番を前に、今夜は谷口との食事会が控えている。今週も、先週も練習ラウンドをともにした大先輩は、「たまに辛口だけど、普段は優しい人。何勝もしているし尊敬する選手」という存在。「優勝争いの緊張をどうやって抑えるのかとか・・・」と聞いてみたいというが、問題は「いつもだいたい谷口さんが1人でしゃべっている」という場の中で、どうその話題を切り出すかだ。(京都府城陽市/今岡涼太)