“諦めの悪い男”谷原が首位発進「すごい」と自賛
◇国内男子メジャー◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日(1日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)
逆転賞金王には優勝が最低条件。最終戦での主役奪取を狙う賞金ランク2位の谷原秀人が1イーグル3バーディの5アンダー「65」とし、首位タイに立つ絶好のスタートを切った。グリーン上で苦戦したものの、今季を支える好調なショットで好スコアを演出した。
同じ最終組で回ったランク1位の池田勇太とは約3000万円差。逆転賞金王には、谷原が優勝し、池田が3位タイ以下(2位タイの場合は4人以上)に終わることが条件となる。
序盤は惜しいパットを何度も外し、グリーン上でため息を漏らす展開となったが、「ショットにストレスはまったくなかった」と次々とチャンスを演出した。5番までパーを並べた後、6番(パー5)で249ydの2打目をピン左4mに乗せてイーグルで一気にスコアを動かす。後半の11番で9mを決めて首位に迫ると、14番ではPWでピンそば20cmに絡めるスーパーショット。16番で1.5mのチャンスを決めて、初日首位の座に座った。
「自分でもすごいと思う」と自賛する大一番での首位発進。まずは逆転賞金王への可能性をつなげたが、その困難さはツアーの歴史が物語っている。最終戦での逆転賞金王は2000年の片山晋呉から15年間も例がないのだ。
今年7月の「日本プロ選手権」最終日では、首位の武藤俊憲に後半4打差のリードをつけられながらも、「楽には勝たせねぇぞ」とプレーオフまで持ち込み、逆転で初のメジャータイトルを獲得。「諦めが悪いのか、ああいうふうにハマるときもある」と、土壇場からの強さは自ら認めるところでもある。
「今週も? まあ、そうですね。ベストを尽くして1年を終われたらいいと思う」。残り3日間も厳しい戦いが予想される。“諦めの悪い男”の本領が試されるのはこれからだ。(東京都稲城市/塚田達也)