2016年 ダンロップフェニックス

備えあれば憂いなし 世界21位ケプカの隠れた勝因はこれだ!?

2016/11/20 18:16
ドロップの練習が役立った?15番で左の林に曲げながらパーとしたケプカ

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 最終日(20日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎) ◇7027yd(パー71)

通算21アンダー、「263」ストロークは、いずれも大会記録を更新。招待選手として日本ツアーに初参戦した世界ランク21位のブルックス・ケプカが、池田勇太とのマッチレースを制して優勝を手にした。世界でも指折りのパワーとパット巧者ぶりを見せつけ、タイガー・ウッズセベ・バレステロスら、そうそうたる歴代優勝者の中にその名を刻んだ。

2位の池田に5打差をつけて後半に入ったが、10番のボギーから独走レースが一変する。14番を終えた時点で、バーディラッシュの続く池田が1打差まで接近。直後の15番では1打目を左の林に打ち込み、漂い始めた暗雲はさらに濃さを増した。

グリーン方向にテレビ撮影用の建造物があったため、救済により前方が開けた位置にドロップできたが、松葉が覆う足元には木の根が散在する。ボールの止まりどころによっては、さらなるピンチが待ち受ける状況。ここで役だったのが、過去に取り組んだという密かな特訓だった。

「おかしいと思うかもしれないけれど、大学時代にドロップの練習をかなりやったんだ」。コツは、あえて木の根にボールを当てて、根の付近に止まらないようにコントロールすること。イメージ通りにドロップされたボールは「何とか打てるところに」止まり、2打目をグリーンに乗せてパーを死守。ボギーならば、このホールをバーディとした池田に逆転を許すところだった。

まずは救済を受けられたことについて「ラッキーだった」としながらも、いつ役立つのかも分からないドロップの練習が、少なからず実を結んだようだ。備えあれば憂いなし。豪快なスイングや繊細なパッティング以外に、そんな隠れた好プレーが今週の優勝へと導いたのかもしれない。(宮崎県宮崎市/塚田達也)

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