「のどがカラカラ」41歳 初勝利を逃した岩本高志がそれでも得たもの
グランディ那須白河GCで行われた「ダンロップ・スリクソン福島オープン」最終日。16アンダーの2位から出た41歳の岩本高志が「66」をマークして通算22アンダーの2位と、レギュラーツアー自己最高の順位でフィニッシュした。
最終組で回った時松隆光とのスタート時の差は5ストローク。勝機はあった。序盤2番(パー3)で6mを沈めてパターを天に突き上げた。3番でも決めて、2連続バーディ。6番ではフェアウェイからの2打目がグリーン左からの下り傾斜をつたってカップインし、会心のイーグルで2打差まで詰め寄った。
ティショットを右サイドに曲げた10番でボギーをたたいた後、時松にリードを広げられたが、2位で終えて「最低限はできた」。優勝争いの興奮を「しっかり味わいました」と汗を拭き「緊張もしたし、のどもカラカラになった。でも面白かったです」と語った。
約7年前から都内のスタジオでレッスン業も行って生計を立てる。会場に駆けつけた多くの関係者の前で初勝利はならなかった。それでも得たものは大きい。ツアーでの自己最高位(2001年フジサンケイクラシック13位)を大きく更新。トップ10位入りにより、次のレギュラー大会「RIZAP KBCオーガスタ」の出場権を手にした。
今大会終了後に行われる第1回リランキング(下部ツアー、QT出身者による出場優先順位入れ替え)の順位は年初の39位から4位にジャンプアップし、秋口まで多くの試合に出場できる。「今週はリランキングがかかっていたのに、まさかこんな成績になるとは思っていなかった。優勝できれば最高でしたけど、これでまたツアーに出られる。今後もこの経験を生かさないと意味がないので頑張ります」
かつてプロテストや予選会を通過した記憶の残る福島で、ツアープロとして再起のきっかけを確かにつかんだ。(福島県西郷村/桂川洋一)