1/12000を6ラウンドで!武藤俊憲がまたアルバトロス “持っている”のは誰?
ホールインワンよりも難しいと言われるアルバトロスを、わずか6ラウンドで2回も決めた男がいる。国内男子メジャー「日本プロ日清カップ」2日目を終え、通算13アンダーで単独首位に立った武藤俊憲だ。この日、8番(パー5)の2打目。残り255ydを3UTで直接沈め、2週間前の「ISPSハンダグローバルカップ」3日目に続く歓喜に酔った。
10番スタートのこの日、ハイライトは折り返した終盤にあった。フェアウェイを池が横切る8番(パー5)で、ティショットを3UTで刻んだ武藤は、2打目も再び3UTを握っていた。
「マウンドの向こうにピンがあったので、左サイドから行こうと思ったら真っ直ぐピンに飛んでいった」という、想定とはやや異なるショット。それが、数バウンドしてピンに当たり、上に跳ねた後にカップへと転がり落ちた。
ツアー関係者によると、国内男子ツアーでアルバトロスの確率は、1万2000ラウンドに1回ほど。「信じられなかったですね。まさかと思った」と、グリーン面を直接見られず、ギャラリーの反応で入ったことを知った本人も、半信半疑だったという。
ショットの調子は変わらずいい。大会初日にコースレコードの「64」で飛び出すと、この日も前半インで3つ伸ばした。風が強くなった後半に「球を抑えようとして」ショットがぶれて2連続ボギーを叩いたが、修正ポイントはすぐひらめいた。
「6番(パー3)でやりたい通りのショットが打てた。7番ですぐバーディが来て、これで大丈夫だと思った」と、迷いはなかった。525ydのパー5を2打でホールアウトするのに使った3UTは、武藤がミズノとの契約直後に「一発打って、良い意味で一目惚れした」と愛用している「JPX EIII ユーティリティ」(19度)。「アマチュア向けで、球が簡単に上がってくれる」と信頼を寄せている。
プライベートも含めると、アルバトロスは3回目。最初は、地元・群馬の赤城CCで1人でラウンドしていた約10年前という。ちなみに、キャディの小田亨氏は、2011年に国内女子ツアー「スタンレーレディス」で、有村智恵が同一ラウンドでホールインワンとアルバトロスを決めたときにもキャディバッグを担いでいた。キャディも“持っている”のは間違いない。(北海道安平町/今岡涼太)