2016年 SMBCシンガポールオープン

小林伸太郎は初勝利ならず 月曜順延が最も災難だった日本選手は…?

2016/02/01 19:06
小林は4位でフィニッシュ。ツアー初優勝は同組でまわったソンに奪われた

日本男子ツアーとアジアンツアーの共同主管競技「SMBCシンガポールオープン」は1日(月)、連日の雷雲接近によるサスペンデッドを受け、同日に持ち越された最終ラウンドを完了させた。未消化だった3ホールをプレーした最終組のソン・ヨンハン(韓国)が通算12アンダーでツアー初優勝。同じ組でプレーした小林伸太郎は日本勢最高位ながら9アンダー4位で終え、悔しさを隠さなかった。

わずかな残りホールでの逆転を狙った小林は、この日いきなり出鼻をくじかれた。プレーを再開した16番。ソンは前日に3.5mのパーパットを残してコースを去っていたが、この朝、グリーンにはカップからわずか1mの位置にソンのマークが置かれていた。

前夜から早朝にかけて何者かに動かされたと見られ、ソンが「こんなに近いはずがない。間違っている」と競技委員を呼んで処置を仰ぐことに。もともとあったと思われる場所にボールを戻し、ソンもパーセーブしたが、スタート前に“ルーリング”が行われるハプニングに、小林は「もちろんソンさんが悪いわけじゃない。いろいろ考えてしまった。水を差された感じでがっかりしてしまった」と動揺したという。

2打差で迎えた続く17番(パー3)のボギーは「(16番のことを)考えながら気持ちがそがれた部分は確かにあった」。最終18番(パー5)で1mのバーディパットを外してフィニッシュし「本当だったら、もっといい順位で上がれたのを、最後で4位にしてしまったのは反省すべきところ」とガックリ。それでも「気持ちの整理がつかないままプレーしてしまったところは今後への課題になる」と、優勝争いを経て結果以上の収穫も感じた。

一方、小林の前の組でプレーした谷原秀人はスコアを落としてホールアウトし、苦笑いを浮かべた。再開直後の最終18番、第2打のフェアウェイバンカーからのショットはミスで再びバンカーに。3打目でも乗せられず「トップもダフリも両方やってしまった」と4オン2パットのボギーフィニッシュ。通算8アンダーの6位タイで終えた。

最終9番でフィニッシュした深堀は、優勝争いの反対側で不運に見舞われた

今回の月曜順延が最も“災難”として降りかかった日本人選手は深堀圭一郎かもしれない。前日は最終ラウンドを10番からスタートし、最後の9番ホールをプレー中、2打目をピンまで残り105ydまで運んだ直後にサスペンデッドに入った。

優勝争いからはかけ離れたポジションでも、途中棄権するわけにはいかない。ウェッジとパターだけ持って残りのプレーを終え、通算5オーバーの58位タイ。「月曜日の持ち越しは経験があるけど、100yd残しというのはないだろうね…。世界は広いってことです」。本来ならば前夜に帰国の途に就くフライトを急遽変更。この日、国内で予定していたイベントの参加をキャンセルしたのは言うまでもない。(シンガポール・セントーサ/桂川洋一)

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