松山英樹は首位に5打差→3打差も「コントロールできてない」
「きのうと変わらない」。松山英樹は不満げにこぼした。宮崎県のフェニックスカントリークラブで開催中の国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」2日目。1アンダーの17位タイから出た前年覇者は、初日に続き消化不良の内容ながら5バーディ、2ボギーの「68」(パー71)で回り、通算4アンダーとして11位タイに順位を上げた。
スタートホールの1番でPWでの2打目をピンそば2mにつけてバーディ。5番で300yd超えのドライブを見せて2つ目を奪うと、6番(パー3)は奥から下りのフックラインを沈めて2連続。ボールがカップインする前に軽快に歩き出す姿に、大ギャラリーは金曜日のチャージを予感した。
折り返しの9番で第2打を左に引っ掛けてボギーを叩いたが、後半12番では左ラフから残り171ydを1.5mにつけてバーディを取り返した。ティショットを林に入れた14番では6mのスライスラインを読み切ってパーセーブ。最終18番(パー5)はUTで2オンに成功してバーディフィニッシュを決めた。
良いところを上げればこれだけある。ただ、満足いかないポイントの方が、松山の脳には列挙されたようだ。「グリーンを外していないけれど、自分で思ったようなコントロールができていない」。米ツアーで最も評価されるアイアンショットの精度をまだ発揮しきれていない。グリーン上も13番で1m強のバーディチャンスを逃すなど「優勝争いをしていれば、難しい場面が出てくる。ミスが出ないように練習をしたい」と満足には至らない。
8月「ダンロップ・スリクソン福島オープン」以来の国内ツアー。練習場で多くのクラブをテストする松山にとって、今週は絶好の機会でもある。普段は米国にない日本メーカーの数モデルも試打。キャディバッグには3Wにテーラーメイド ロケットボールズ ステージ2 フェアウェイウッド(ロフト角15度)、UTに本間ゴルフ TW727 ユーティリティ(ロフト角19度)を入れているが「替えるのはよくあること。気にしていない」と意に介さず、自身の調子にのみ、不満の要因を求めた。
とはいえトップとの差は5つから3つに減った。初日にプレーの合間に見せていた、2週前に痛めた背中を気にするシーンは、この日ほとんど見られなかった。「思ったよりもトップが伸びていないで良かった」。決勝ラウンドを好位置で迎えることには変わりない。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)