2015年 ダンロップ・スリクソン福島オープン

来年からシニア参戦 マークセンが亡き妻に捧げる勝利

2015/07/26 18:31
猛暑のバーディ合戦を制し、2季ぶり通算5勝目を飾ったP.マークセン

来年1月にシニア入りする49歳が、真夏の日差しが肌を焼く猛暑のバーディ合戦を制した。国内男子ツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」最終日。2打差を追うプラヤド・マークセン(タイ)が9バーディ、ノーボギー「63」を叩き出し、通算24アンダーで逆転優勝。2季ぶりとなるツアー通算5勝目を飾った。

最高気温33度に達した暑さに多くの選手が音を上げる中でも、「タイと同じくらいの暑さ。とくに大変な印象はなかった」と涼しげな表情。1つ後ろの組でプレーした宮里優作も、「傘も差さずに飄々とプレーしていた」と驚く“地の利”も生きたのか。「1Wとパットが良かった」という会心のプレーで伸ばし合いをリードし、2mを決めた最終18番(パー5)のバーディで勝利を決定付けた。

身長163センチとツアーでも小柄ながら、パワーに満ち溢れたガッシリとした肉体。さぞやハードなトレーニングを積んでいるのだろうと思いきや、「していません」と拍子抜けな言葉が返ってくる。「野菜をたくさん食べて、好きな温泉に入る。お酒は呑まないし、タバコも吸わないこと」。49歳が挙げる強さを保つ秘訣は、極めてシンプルだ。

昨年5月末には、乳がんにより4年近く闘病生活が続いた妻のパパーポンさんが他界。「天国にいる家内も喜んでくれていると思う」。亡き妻に捧げる最初のタイトルだった。

最愛の人との別れを乗り越え、再び優勝者の輪に加わったマークセンは来年1月30日に節目の50歳を迎える。来年はレギュラーツアーと並行して国内シニアツアー、さらには米国シニアツアーへの挑戦も視野に入れている。この年末にはQT挑戦のため海を渡る予定だ。(福島県西郷村/塚田達也)

2015年 ダンロップ・スリクソン福島オープン