あと1打…山下和宏“9度目”V逸もスマイルで前進
2015/04/19 16:59
9度目の「最終日最終組」も、悲願の瞬間は訪れなかった。国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」最終日。2打差の2位から出た山下和宏は7バーディ、2ボギー「66」と伸ばしたが、優勝スコアに1打届かない通算14アンダー2位タイに終わり、プロ18年目での初優勝はまたもお預けとなった。
前半の停滞により一時は首位と3打差まで開きながら、サンデーバックナインでラストスパート。11番からの7ホールで5バーディを重ね、17番を終えた時点で首位と1打差に詰め寄った。最終18番、入れればプレーオフという7mのバーディパット。「スライスライン。思ったところには打てた」というボールはカップ右に逸れた。瞬間、口を硬く結んだが、グリーンを後にする表情は充実感に満ちていた。
「最後は残念だったけど、よくやったと思います。悔しさよりも、これだけできたことを収穫に感じています」。
数週間前まではパットとアプローチに悩みを抱えていたが、ゆっくりとしたテンポへの意識を強めるコーチの指導により、開幕直前でショートゲームが劇的に改善。「パットに自信を持てるようになったことで、今後が楽しみになった。不安しかなかったけれど、また(優勝の)チャンスがあると思えるようになりました」と笑顔を交えた。
9度の「最終日最終組」で、60台のスコアをマークしたのは今回が初めて。41歳は開幕戦で得た大きな進歩を胸に、2015年シーズンを戦っていく。(三重県桑名市/塚田達也)