「親父の背中見せてやる」鈴木亨が愛息をキャディに初起用!
今週の国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」に、2009年大会を制した鈴木亨が、長男の貴之くん(17歳)を初めてキャディに起用する。
今季の鈴木は、レギュラーツアーが今大会で15試合目。下部のチャレンジツアーでは10試合に出場し2勝を果たした。賞金ランキングで5位に入ったことで、来季のレギュラーツアー前半戦の出場資格を掴んだ。
息子をキャディに起用することは数ヶ月前に決めていた。「高校から真剣にゴルフを始めて、3年間部活でやってきたのでゴルフのことは分かっていますし、今後もゴルフを続けるというので、いい経験になればいいかな。チャレンジで結果を出してこの試合を迎えられたのは良かった。これが、シード権のかかった大事な試合だと、親子といえども変な空気になったら嫌だからね(笑)」
クラブの選択、グリーンのライン読みは2人で行うが「最終的には僕が決断するけどね。息子は他のプロに迷惑をかけないか心配しているみたいだけど、まあ大丈夫でしょう」と、ベテランプロとして、息子のキャディデビューを優しく見守る腹づもりだ。
「プロアマ戦などではキャディ経験がありますが、プロの試合は初めて。他のプロの方々のプレーを見て勉強したいです。父からは大学で結果が出なかったら『プロになる夢をあきらめて違う仕事をしろ』と言われているので、こういうチャンスを生かして、もっと上手くなりたいんです」と緊張した面持ちで話す貴之くん。
ゴルフ歴3年でベストスコアは2アンダー「70」とは、父親譲りのセンスの持ち主だ。身長は187cmで、ドライバーの飛距離は280~290ydと伸び盛り。「俺もあんだけ身長があったら賞金王になってたんだろうな」と、冗談めかしてつぶやいた。
「親父として恥ずかしい姿は見せられないから、今週は気合いを入れて戦うよ。息子には、父親の背中を見て、感じ取ってもらうこともあると思う。2人で戦う以上、結果も2人で受け入れなければならない。それが優勝とか良い方に出れば最高だね」
「今年はいいスコアも出ているので、ゲンのいい大会だし、頑張ってみますよ」。愛息とのタッグで挑む父子鷹が、5年ぶりのツアー通算9勝目を目指す。(兵庫県加東市/本橋英治)