「3勝しているとは思えない」 藤田寛之が抱くジレンマ
2014/10/22 18:07
千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブ袖ヶ浦コースで23日(木)、国内男子ツアー「ブリヂストンオープン」が開幕する。前日の練習日は強い風雨に見舞われた中、賞金ランキングトップを走る藤田寛之はアウト9ホールをラウンド。「こういう難しい状況の中で回れて、良い練習ができました」と、雨に濡れた顔をほころばせた。
今季はここまで3勝を重ねながらも、藤田の口からはなかなか“好調”の2文字が聞こえてこない。今週の調子を問われても「いつもと一緒です」とピシャリ。「自分が3勝しているとは思えないし、今週も優勝、という気持ちになれない」と、やはり反応は芳しくない。
懸念が続くのは、「良いと悪いがハッキリし過ぎている」という日替わりの状態。「まずは調子が崩れないようにすることが一番。自分でもビックリするほどダメになるときがある」と、常に自らを厳しく律するベテランは現状を憂いた。
前週を終えて135位という世界ランキングにも、「中途半端で、何のために上げていけばいいのか・・・」と声のトーンは低い。しかし、国内ツアーに目を向ければ、賞金王にもっとも近い位置にいることは事実。そのような状況にジレンマを覚えながらも、周囲の期待に応えたいという気持ちが今の藤田を支えている。
「(賞金王を期待する)そんな声もあるので、優勝争いをしながら(賞金王への)チャンスを最後までキープしたい。フェニックス、カシオ、日本シリーズまで話題に上るようにプレーしないといけない」。ツアーをリードする45歳は気力を振り絞りながら、今週も頂点に立つための模索を続けている。(千葉県千葉市/塚田達也)