広島に恩返しを 竹谷佳孝が喪章をつけて今季2勝目に挑む
今季の国内メジャー第2戦「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」でツアー初優勝を飾った竹谷佳孝が、「アールズエバーラスティングKBCオーガスタゴルフトーナメント」の3日目を終えて、首位と2打差の通算9アンダー3位タイに浮上した。
「今日は70点ぐらいですね。パターが入ってくれたけど、あとは全然ダメでした。アプローチとパターでしのげた感じです。ショットがまだ手探りな状態なので」。ホールアウト後、3位タイという好位置にもかかわらず、ゴルフの内容には不満ばかりが口をついた。
しかし、先日、広島県を襲った土砂災害の件に触れると、話す言葉に熱がこもり始めた。「なにかしたいと思っています。谷原さんや河井さんと相談して。今後は、チャレンジに出場している広島出身のプロにも声をかければ賛同してくれると思う」。竹谷は山口県出身だが、高校卒業後に広島県内のゴルフ場で研修生をしていた。縁が深い広島県の災害に対し、同県出身選手たちと同じように、喪章をつけてラウンドをしている。
谷原らは帽子につけているので目に留まりやすいが、竹谷はパンツの腰部分。「僕はサンバイザー派なので。クリップで留めると、布がパタパタと頭に当たるので腰につけさせてもらっています。まだ、どういう形で貢献できるかわかりませんが、この試合でどうこうではなく、個人でなにかするよりも、全体、もしくはJGTOを通してでも何かやりたいと思っています」。喪章に込める思いは熱い。
首位と2打差で迎える最終日。「チャンスはあると思っています。何打差あろうと、上が何人いようと。明日、気持ちをどんだけ強く持てるかでチャンスはあると思っています」。自分の力を信じ、気持ちを強く持ち、逆転優勝で被災地に勇気を届けたい。(福岡県糸島市/本橋英治)