「ほんと悔しい」唯一の敗戦を喫した石川、藤田ペア
アジア選抜が2ポイントリードして迎えた「ザ・ロイヤルトロフィ」2日目のフォアボールマッチ。初日に続いてペアを組んだ石川遼と藤田寛之は、第3試合でトービヨン・オルセン(デンマーク)とベルント・ウィスバーガー(オーストリア)組と対戦するも2&1で惜敗した。
試合を終え、「終始ピリピリした感じでやれていた。勝つか負けるかは相手次第なので、良いマッチだったと思う」とポジティブ面を強調した石川に対し、藤田は「後半バーディが止まったことと、お互いカバーできない部分があって、負けの方にいってしまった」と、敗因を冷静に受け止めていた。
2人の言うとおり、中盤まではアジア選抜がペースを握っていた。1番ホールこそ、お互いティショットを左右に曲げてダウンスタートとなったが、3番で石川が5メートルを沈めてガッツポーズを見せると、続く4番では藤田が2.5メートルを決めてすぐに1アップへと巻き返し、そのまま10番まで消化した。
だが、2人のうち良い方のスコアが採用されるフォアボールマッチではバーディがものをいう。その数はアジア選抜が前半5つで後半0。一方の欧州選抜は、前後半4つずつ。11番(パー5)のウィスバーガーのバーディでオールスクエアに戻されると、14番、15番とこの日が誕生日のオルセンに連続バーディで突き放された。
石川が右ラフに捕まった15番の第2打では、前方のピン方向に掛かるテレビの足場から救済を受けようとしたが、ワンアジアツアーの競技委員から指定されたニアレストポイントは、元の位置から30センチほど右にいっただけのところだった。「全然(障害物が)掛かるから、あれっと思った」という石川は、元の場所からの3打目を選択し、鉄の足場にぶつけてしまう。左方向に救済されない時点で、元の場所から打とうと思っていたという。違和感の残る救済処置が、このショットになんらかの影響を与えた可能性もあるだろう。
だが、マッチは終わり、残すは明日のシングルス8試合だけとなった。「強い人とやって、緊張を感じる中でやりたい」という石川と、「明日はシンプルに勝ちに行くだけ」という藤田。「マッチプレーは負けるとほんと悔しいですね」とつぶやいた藤田の気持ちは、石川も同じだろう。(中国・広州市/今岡涼太)